会社に居座る社員の正体とは?素行調査で明らかになった事情【横浜の素行調査事例】

「社員の一人が毎晩遅くまで残業をしていて不審だ」——そんな相談を持ちかけてこられたのは、横浜市港北区で小さな下請け会社を経営する男性でした。

会社は従業員10名にも満たない規模で、案件も安定しており、深夜まで残業を要するような繁忙期でもないとのこと。それにも関わらず、ある若手社員だけが毎晩会社に残り、誰よりも遅くまで社内に居座っているというのです。

疑念と心配が入り混じる経営者の想い

その社員は20代後半の男性で、入社から3年。まじめで几帳面な性格で、朝は誰よりも早く出社し、掃除や雑務を率先して行う姿勢が評価されていました。上司や同僚からの信頼も厚く、むしろ模範的な存在だったといいます。

しかし、そんな彼が突如として残業を繰り返すようになったことに、社長は違和感を覚えたそうです。理由を尋ねたところ、「営業先に提出するプレゼン資料を作成していて、少し手こずっている」と説明があったものの、特に新規の受注もない状況。資料の提出期限も迫っているわけではなく、どうにも腑に落ちない様子でした。

「努力家だから無理をしているのか、それとも何か別の事情があるのか。体調を崩してからでは遅い」と、社長は悩んだ末に、当探偵事務所へ素行調査を依頼されたのです。

調査で明らかになった「もう一つの顔」

依頼を受けてから、調査は社員の退勤後の行動を中心に実施しました。日中は通常通り業務をこなし、他の社員が退社した後も一人社内に残っていることは確認できました。

その後、深夜になってようやく外出。ところが、向かう先は自宅ではありません。コインランドリーに立ち寄り、近隣の飲食店で夕食を済ませたあと、しばらく周辺をぶらつき、深夜になるとまた会社へと戻ってきます。そして、消灯されたオフィスの片隅で、ソファに横たわる姿が確認されました。

数日にわたって調査を続けた結果、彼は事実上“会社に寝泊まりしていた”ことが判明しました。調査員が周囲住民への聞き込みを行ったところ、以前同棲していた女性と最近になって破局し、家を追い出されていたとの情報も得られました。

つまり彼は今、帰る家を失い、職場を“住処”としてしのいでいたのです。

思わぬ事情に心が揺れる

調査報告を受けた社長は、複雑な表情を浮かべていました。「会社を私的に使われていたことは問題だが、彼がそんな事情を抱えていたとは……」と困惑を隠せません。

それでも、今後のことを考えると見過ごすわけにはいかず、社員に事情を確認する場を設けました。事務所に呼び出すと、彼はうつむいたまま事実を認め、「迷惑をかけて申し訳ありませんでした」と頭を下げました。

彼によると、家を出された当初はビジネスホテルに泊まっていたものの、金銭的に続かず、会社で寝泊まりするようになってしまったとのこと。罪悪感はあったが、どうにもならずズルズルと時間だけが過ぎてしまったようです。

経営者としての決断とその後

社長は、「気づいてあげられなかったことも、管理体制が甘かったことも、私の責任です」と話しつつも、会社の私物化を許すわけにはいかないと鍵の管理方法の見直しを即断しました。

これまでは社員全員に鍵を渡していましたが、今後は管理責任者である社長一人のみが保有し、深夜の入退室は事前申請制に。加えて、職場の福利厚生制度も見直し、一時的な生活支援制度の導入も検討されることとなりました。

なお、調査後、社員は無事に元の同棲相手と和解し、再び同居を始めたとの報告もありました。「彼がまた前のように元気に働いてくれるなら、それが一番だ」と、社長も安堵の表情を見せています。

素行調査の意外な効用

今回のケースでは、素行調査によって明らかになったのは“悪意”ではなく“事情”でした。もちろん、会社の規律を守るうえで問題のある行動ではありましたが、その背景にある苦しみや孤独を知ることで、対話のきっかけを作ることができました。

探偵に相談することには抵抗がある方も多いかもしれません。しかし、調査の目的は“罰する”ことではなく、“理解し、適切に対応する”ための材料を得ることにあります。

「問題の本質を見極めたい」「表面的な言い訳に惑わされたくない」——そうした思いを持つ経営者や管理者の方には、素行調査が大きなヒントとなるかもしれません。

※プライバシー保護の観点から、依頼者、対象社員、関係者の属性(年齢・性別・職業・住所)や具体的な依頼内容については、変更・加工を加えています。

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