娘の彼氏の正体を暴いた母親の決断【横浜の素行調査事例】
私たちの探偵事務所に相談に来られたのは、港北区にお住まいの42歳の主婦Aさんでした。菊名駅から徒歩でいらした彼女の表情には、深い心配と決意が入り混じっていました。
「娘のことで相談があります」
Aさんが口を開いたその瞬間から、私は彼女の抱える問題の深刻さを感じ取っていました。25年以上この業界に身を置く中で培った経験から、親が子どものために探偵に相談するケースには、往々にして重大な事実が隠されているものです。
依頼の背景:違和感の始まり
Aさんの話によると、社会人になった娘さんが最近交際を始めた彼氏について、どうしても払拭できない違和感があるとのことでした。彼との出会いは大学時代のサークルでの知り合いとの再会がきっかけで、当初は微笑ましく見守っていたそうです。
しかし、ある日の何気ない親子の会話で、娘さんから衝撃的な事実が明かされました。「彼に生活費を援助している」というのです。
理由を尋ねると、彼は今年に入って起業し、まだ事業が軌道に乗っていないため、娘さんが生活を支えているとのことでした。娘さんは港北ニュータウンの企業で事務職として働いており、決して高収入ではありません。それにも関わらず、毎月相当な額を彼に渡していることが判明したのです。
「正直、若い男性が起業して成功するなんて、そう簡単なことではないと思うんです。でも娘は彼を完全に信じ切っていて...」
Aさんの声には、母親としての複雑な心境が滲んでいました。
調査開始:港北ニュータウンからの情報収集
Aさんから提供された情報は、彼の氏名、顔写真、そして彼が経営するという会社の名刺のみでした。通常、素行調査においてはもう少し詳細な情報があることが望ましいのですが、経験豊富な調査員にとって、これらの基本情報から調査を開始することは十分可能でした。
まず最初に行ったのは、彼の会社に関する実態調査でした。名刺に記載された会社名をもとに、法人登記の確認、事業実態の調査を開始しました。これは机上調査の範疇ですが、ここで早くも重大な疑問点が浮上しました。
次に、彼の居住地域の特定です。娘さんからの情報では、彼は横浜市内に住んでいるということでしたが、具体的な住所は不明でした。そこで、彼の行動パターンを把握するため、娘さんがよく彼と会う場所の情報を間接的に収集しました。
尾行調査:みなとみらいでの発見
本格的な尾行調査は、彼と娘さんがデートする日から開始しました。待ち合わせ場所は桜木町駅前。私たちは慎重に距離を保ちながら、彼らの行動を観察しました。
二人はコスモワールドで楽しそうに過ごした後、赤レンガ倉庫周辺を散歩していました。一見すると普通のカップルにしか見えませんが、私たちプロの目には、彼の何気ない行動の中に不自然な点がいくつか見受けられました。
特に印象的だったのは、娘さんが財布を出す場面が異常に多かったことです。観覧車の料金、カフェでの支払い、お土産代まで、すべて娘さんが負担していました。彼は申し訳なさそうな素振りを見せつつも、結果的に一円も支払っていませんでした。
決定的証拠の発見:二重生活の実態
調査開始から2週間が経過した頃、私たちは彼の本当の生活実態を掴み始めていました。娘さんとのデートが終わった後、彼は横浜駅で別の女性と待ち合わせをしていたのです。
その女性は20代後半と思われ、彼よりも年上に見えました。二人の関係性を探るため、慎重に後を追うと、彼らは保土ケ谷区のマンションに向かいました。建物の外観から、比較的新しい家族向けのマンションであることが分かりました。
さらに驚くべきことに、翌日の夕方、そのマンションから彼と先ほどの女性、そして小さな子どもが一緒に出てくる様子を確認しました。三人は和田町駅方面へ向かい、まさに家族そのものの様子で買い物を楽しんでいました。
この時点で、彼が既婚者であり、子どもがいる可能性が極めて高いことが判明しました。
法人調査:偽装会社の実態
並行して進めていた法人調査でも、重大な事実が明らかになりました。彼の名刺に記載されていた会社名は確かに実在していましたが、それは九州にある清掃業者のものでした。代表者も事業内容も、彼とは全く関係のない会社だったのです。
さらに詳しく調べると、彼の名前での法人登記は一切存在せず、個人事業主としての開業届けも提出されていませんでした。つまり、彼は実在する会社の名前を勝手に使用し、架空の肩書きで娘さんを騙していたということになります。
最終確認:公的情報による事実の確定
これまでの現場調査で得られた情報を最終的に確認するため、探偵業法の範囲内で取得可能な公的情報を調査しました。
まず、法人登記簿の詳細な確認により、彼の名刺記載の会社が実在しないことを再度確認しました。また、彼の住所については住民基本台帳の閲覧制度を利用し、適法な範囲で居住実態を確認することができました。
戸籍等の詳細な身分関係については直接の取得はできませんが、現場での長期観察により、彼が既婚者で幼い子どもがいることは確実な事実として確認できていました。妻らしき女性と子どもとの関係性、生活パターン、近隣での「お父さん」「ママ」という呼び方など、複数の状況証拠から家族関係は明白でした。
彼の就労状況についても、平日昼間の自由な行動、定期的な通勤の形跡がないこと、収入源が不明確であることなど、観察による事実から無職状態であることが強く推測されました。
調査報告書の作成:証拠の整理
1ヶ月間の調査で収集した証拠は膨大な量になりました。写真約800枚、動画記録65時間分、各種書類のコピー50枚以上。これらすべてを時系列で整理し、事実関係を明確にした報告書を作成しました。
報告書には、彼の一日の行動パターン、娘さんとのデートの詳細、妻子との生活の様子、虚偽の会社に関する証拠、金銭授受の状況、過去の交際履歴まで、すべてが写真付きで記載されています。
特に重要だったのは、彼が娘さんから受け取った金銭がどのように使われているかを証明する部分でした。家電購入の際の支払い、家族での外食、子どものおもちゃ購入など、明らかに「事業資金」ではない用途に使用されている証拠を複数確保できました。
調査報告:真実の告白
1ヶ月間の調査を終え、私たちはAさんに詳細な報告書を提出しました。報告書には彼の虚偽の会社設立、既婚者である事実、そして経済的に娘さんに依存している実態が具体的な証拠と共に記載されていました。
彼の名刺記載の会社は実在するものの九州の清掃業者で彼とは無関係であること、法人登記や個人事業主登録が一切ないこと、そして3年前に結婚し2歳の子どもがおり、保土ケ谷区のマンションで妻子と同居していることが明確に証明されました。さらに現在無職で安定した職歴がなく、妻のパート収入と娘さんからの援助で生活している状況も判明しました。
報告書を受け取ったAさんの表情は、予想していたとはいえ、深いショックを隠せないものでした。
母親の決断:娘への真実の告白
「やはり、という気持ちと、ここまでひどいとは、という気持ちが入り混じっています」
Aさんはそう呟きながら、報告書のページをめくっていました。私たちは、このような結果をお伝えする際の心情を十分理解しているつもりです。真実を知ることの重要性と同時に、それがもたらす痛みについても。
Aさんは、娘さんに事実を伝える決意を固めました。ただし、探偵に調査を依頼したことは伏せ、自分なりに調べた結果として話すことにしたのです。これは、娘さんのプライドを傷つけることなく、かつ確実に真実を伝えるための賢明な判断でした。
娘さんへの告白:涙の別れ
後日、Aさんから連絡をいただきました。娘さんは最初、母親の話を信じようとしませんでしたが、具体的な事実を示されると、次第に現実を受け入れざるを得なくなったそうです。
「最初は私が調べたことに怒っていましたが、証拠を見せると急に静かになって、そして泣き始めました」
娘さんは、彼との8ヶ月間の交際で相当な金額を援助していたことを認めました。その額は、娘さんの年収の約3分の1に相当する金額でした。彼女は彼との将来を真剣に考え、「彼の事業が成功すれば結婚しよう」という約束まで交わしていたのです。
しかし、すべてが嘘だったと知った娘さんは、自らの意志で彼との関係を断ち切ることを決意しました。
事件の解決:新たなスタート
娘さんは彼に直接会い、すべてを知っていることを告げた上で別れを宣言しました。彼は最初、何とか言い訳をしようとしたそうですが、具体的な証拠を突きつけられると、ついに事実を認めたということです。
ただし、彼からの謝罪や金銭の返還は期待できないというのが現実でした。それでも娘さんは、「勉強代だと思って諦める」と前向きに捉えようとしているそうです。
探偵としての所感:予防の重要性
この事件を通じて、改めて感じることは、恋愛関係における「信頼」と「盲信」の境界線の難しさです。相手を信じることは大切ですが、同時に客観的な事実確認を怠ることの危険性も浮き彫りになりました。
特に金銭が絡む関係においては、より慎重な判断が求められます。今回のケースでは、娘さんの人生に大きな傷を負わせる前に真実を明らかにできたことが何よりの救いでした。
調査の詳細プロセス:証拠収集の日々
実際の調査は想像以上に地道な作業の連続でした。彼の行動パターンを把握するため、平日の朝は7時から夜9時まで、休日は丸一日の張り込みを行いました。
最初の1週間は彼の基本的な生活リズムの把握に費やしました。平日は午前10時頃に保土ケ谷区のマンションから出てきて、横浜駅周辺をぶらつき、午後は新港パークやパシフィコ横浜周辺のカフェで時間を潰していることが分かりました。明らかに定職に就いていない様子でした。
娘さんとのデートは週に2〜3回、主に夕方から夜にかけて行われていました。彼は常に娘さんに迎えに来てもらい、交通費から食事代まですべて娘さんが負担していました。これは通常のカップルの関係性とは明らかに異なる光景でした。
調査中最も印象的だったのは、彼が娘さんとのデート中に頻繁にスマートフォンを確認していたことです。メッセージの返信をする際、娘さんから見えないよう画面を隠すような動作を何度も確認しました。この時点で、他に交際相手がいる可能性を強く疑い始めていました。
複数の関係性の発覚:衝撃の事実
調査開始から10日目の夜、決定的な瞬間を目撃しました。娘さんとのデートを終えた彼は、横浜駅で別の女性と待ち合わせをしていたのです。その女性は娘さんより年上に見え、二人の関係性は明らかに恋人同士のものでした。
さらに詳しく観察すると、その女性が彼の生活費を負担している様子も見て取れました。レストランでの支払い、コンビニでの買い物、すべて女性が財布を出していました。つまり彼は、娘さんだけでなく、この女性からも金銭的な援助を受けていたのです。
二人が向かった先は保土ケ谷区のマンションでした。翌日の夕方、そのマンションから彼と女性、そして幼い子どもが一緒に出てくる様子を確認しました。子どもは彼に懐いており、明らかに父子の関係でした。三人は相鉄線の駅前で買い物をし、まさに普通の家族として過ごしていました。
この瞬間、彼が既婚者であり、妻子がいながら娘さんを騙していることが確実になりました。
虚偽の会社実態:綿密な裏付け調査
彼の名刺に記載された会社についても、徹底的な調査を行いました。まず法人登記簿を確認したところ、確かにその社名の会社は存在していましたが、所在地は熊本県で、事業内容は清掃業でした。代表者の名前も彼とは全く異なる人物でした。
次に、横浜市内に同名の会社が存在するかを調べましたが、該当する法人は見つかりませんでした。個人事業主としての開業についても、公開されている事業者情報には該当する記録がありませんでした。
さらに、彼が「事業」として使っているという住所を確認したところ、それは彼の自宅マンションの住所と同一でした。つまり、実際の事業活動は一切行われておらず、すべて架空の話だったのです。
名刺のデザインも市販のテンプレートを使用したもので、専門的な印刷業者に依頼した形跡はありませんでした。おそらく家庭用プリンターで印刷したものと推測されました。
金銭の流れ:被害の実態
調査を進める中で、彼の金銭管理の実態も見えてきました。娘さんから受け取った「事業資金」は、実際には家族の生活費として使われていました。
ある日の調査で、彼が妻子と一緒にヨドバシカメラ横浜店で家電を購入する様子を目撃しました。高額な洗濯機を購入していましたが、支払いは現金で行われていました。その直前の週に、娘さんから「設備投資」として受け取った金額と符合する金額でした。
また、彼の妻がパートタイムで働いていることも判明しました。港北ニュータウンの商業施設内の店舗で週4日勤務していましたが、その収入だけでは家族3人の生活は困難と思われる金額でした。明らかに娘さんからの援助が生活の基盤となっていました。
過去の交際歴:類似パターンの発見
さらに調査を進めると、彼の過去の行動パターンも見えてきました。SNSの痕跡を辿ると、結婚前にも複数の女性と同時に交際していた形跡がありました。そのうち何人かからも金銭的な援助を受けていた可能性が高いことが分かりました。
つまり、今回の娘さんとの件は偶発的なものではなく、彼の常習的な行動パターンだったのです。結婚後も、その行動は変わっていませんでした。
依頼者へのアフターケア
調査終了後も、私たちはAさんと娘さんのメンタル面でのサポートを継続しました。このような裏切りを経験した後は、人間不信に陥りやすく、次の恋愛に対して過度に慎重になってしまうケースも少なくありません。
幸い、娘さんは母親の愛情深いサポートと、職場の同僚たちの励ましもあって、徐々に前向きな気持ちを取り戻しているとのことです。
結論:探偵業務の社会的意義
この事件を通じて、私たちは改めて探偵業務の社会的意義を実感しました。単に事実を調べるだけでなく、依頼者の人生を守り、より良い未来への道筋をつけることが私たちの使命だと考えています。
Aさんの勇気ある決断と、娘さんの強さによって、この事件は最良の結果を迎えることができました。もし調査を行わずにいたら、娘さんはさらに大きな被害を受けていた可能性があります。
恋愛において相手を疑うことは決して楽しいことではありません。しかし、時として客観的な事実確認が、人生を救うこともあるのです。
今回の調査期間は1ヶ月間で、調査対象は20代男性(依頼者の娘の交際相手)でした。主な調査内容は素行調査、身辺調査、法人実態調査で、結果として既婚者かつ虚偽の会社情報での詐欺的行為が判明し、最終的に依頼者の娘が自らの意志で関係を断ち切ることに成功しました。
なお、本事例は実際の調査案件を基にしていますが、プライバシー保護の観点から、関係者の属性や詳細な内容については一部変更を加えています。
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