関西からの深刻な相談

2024年11月の夕方、当探偵事務所に関西から一本の電話がかかってきました。電話の主は佐藤正樹さん(仮名、42歳・製造業管理職)で、現在大阪で単身赴任中でした。家族は横浜市神奈川区の自宅に住む妻の美和さん(仮名、39歳・パート勤務)と高校2年生の息子さんです。

「息子の大学受験を控えた大事な時期に、こんな相談をするのは本当に心苦しいのですが、どうしても確認しておかないといけないことがあるんです」

正樹さんの声は疲れきっており、深刻な悩みを抱えていることが伝わってきました。単身赴任を始めて2年、月に2回程度横浜の自宅に帰っていましたが、最近妻の様子に違和感を覚えるようになったとのことでした。

サプライズ帰宅で発覚した異変

正樹さんが決定的な疑念を抱いたのは、数週間前の金曜日の夜のことでした。久しぶりに3連休が取れたため、サプライズで自宅に帰ったところ、午後10時を過ぎても妻が帰宅していませんでした。

息子さんに母親の所在を尋ねると、「お母さん、最近パートの後に出かけること多いよ。俺も塾で遅いし、たまに夕飯が一人になることあるけど、まぁそんなに気にしてない」と答えました。

美和さんは息子さんには「パート先の同僚との付き合いが増えた」と説明しており、息子さんも母親の社交性が広がったと理解していました。

午前2時頃、ようやく美和さんが帰宅しました。正樹さんが「遅かったね、お疲れさま」と声をかけると、美和さんは明らかに動揺し、「え、いつ帰ってきたの?連絡くれればよかったのに」と慌てた様子を見せました。その反応自体が、何かを隠している証拠のように感じられました。

美和さんの説明では「職場の人たちと食事会があった」とのことでしたが、服装や化粧は乱れており、午前2時という深夜の帰宅時間、そして食事会の場所や参加者について具体的な話を避ける様子など、説明と実際の状況に不自然な点が多くありました。

決意に至る変化の積み重ね

正樹さんはその夜一睡もできませんでした。振り返ってみると、ここ半年ほどで美和さんの行動に変化があったことに気づきました。以前は正樹さんが帰省する日を楽しみにしていたのに、最近は帰省の連絡をしても反応が薄くなっていました。

最も気になったのは、夫婦としての関係に変化が生じていることでした。以前は正樹さんの帰省を喜んでくれていた美和さんが、最近では「疲れている」「体調がすぐれない」といった理由で夫婦の営みを避けることが多くなっていました。単身赴任で離れている時間が長いにもかかわらず、身体的な接触を拒むような態度に違和感を覚えていました。

また、美和さんの外見にも変化がありました。髪型を新しくしていたり、見慣れない服を着ていることがありました。美和さん自身から「パート先の人たちの影響で少しおしゃれに気を使うようになった」という話は聞いていましたが、以前は外見にそれほど関心がなかった美和さんの変化が印象的でした。

息子の大学受験を控えた重要な時期に家庭を混乱させるわけにはいかない。しかし、このまま見過ごすこともできない。苦悩の末、正樹さんは事実を確認するために当探偵事務所への相談を決意されました。

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調査計画の策定と初期調査

正樹さんからの依頼を受け、当事務所では単身赴任という特殊な状況を考慮した調査計画を立てました。美和さんの行動調査には2名の調査員体制で臨み、正樹さんが関西在住のため、調査結果の報告は電話とメールで行い、重要な場面については写真や動画で記録することになりました。

美和さんについて詳しく聞き取りを行ったところ、横浜市保土ケ谷区のスーパーマーケットでパートタイムとして働いており、勤務時間は平日の午前9時から午後3時までとのことでした。それにもかかわらず深夜の帰宅が続いているということは、明らかに別の活動に時間を使っていることになります。

美和さんの日常行動パターンの確認

調査開始から1週間目、美和さんの実際の行動パターンが明らかになりました。確かに平日はスーパーマーケットで午後3時まで勤務していましたが、その後の行動に問題がありました。

美和さんは勤務終了後、一度自宅に戻って身支度を整え、午後5時頃に再び外出することが確認されました。向かった先は横浜市西区にあるスポーツクラブで、正樹さんには「運動不足解消のためにジムに通い始めた」と伝えていた場所でしたが、正樹さんはクラブ名や場所については聞かされていませんでした。

スポーツクラブでの滞在は約2時間。午後7時頃にクラブを出た美和さんは、その後すぐに横浜駅西口で男性と合流する様子が確認されました。

謎の男性との密会確認

合流した男性は40代半ば、身長175センチほどで濃紺のスーツ、高級ブランドのバッグを持っていました。再会の瞬間、美和さんの表情が明るくなり、男性も満面の笑みを浮かべるなど、親密な関係性がうかがえました。

その後、二人は駅近くのイタリアンレストランで2時間ほど食事を楽しみ、親密な仕草も多く観察されました。食事後、二人は近くのマンションへ向かい、エントランス前でしばらく話し込んだのち、美和さんはタクシーで帰宅。男性はマンション内に入っていきました。

当初、調査員はこのマンションが男性の自宅だと考えましたが、後日改めて調査を行ったところ、この物件は男性の知人宅の可能性が高く、実際の居住地は別にあることが判明しました。

週末の密会パターンの確認

調査開始から2週目の週末、再び調査を実施したところ、午後1時頃に美和さんは外出し、横浜市中区の山手地区で同じ男性と合流。洋館の庭園を散策しながら、親密なやり取りが多く見られました。恋人関係であることは明白でした。

夕方6時頃、二人はみなとみらい地区の高級ホテルへ移動し、男性がチェックイン。約3時間半後の午後9時半、二人がエレベーターでロビーに戻ってくる様子が確認され、服装の乱れも見受けられました。ホテル前では短い抱擁を交わし、それぞれ帰路につきました。

この時点で、二人が肉体関係に至っている可能性が非常に高いと判断されました。

不倫相手の身元調査

男性の住所と基本情報の特定

ホテルからの帰宅後、調査員は男性の尾行を続け、翌朝の張り込みにより男性が中区山手町の高級マンションから出勤していることを確認しました。このマンションが実際の居住地であることが判明し、通勤先は都内の不動産会社であることも突き止めました。

調査の結果、男性は田中剛さん(仮名・45歳)、都内の不動産会社で管理職を務める独身者で、離婚歴あり。高級車を所有し、経済的に余裕がある様子も確認されました。

スポーツクラブでの出会いの経緯

美和さんと田中さんの出会いの場となったスポーツクラブについても調査を行いました。二人は約半年前から同じ時間帯に利用しており、田中さんは美和さんより30分ほど早く到着し、美和さんの退館時間に合わせてクラブの外で待機しているパターンが継続的に見られました。

クラブ内での接触までは確認できませんでしたが、クラブを出た後に合流してそのまま食事へ向かう様子が何度も確認され、クラブが事実上の「待ち合わせ場所」として機能していたことがわかりました。

密会パターンの全容解明

平日と週末の使い分け

3回目の調査により、美和さんと田中さんの密会パターンは明確に分かれていました。平日は主にスポーツクラブ後に食事や短時間の接触を行い、週末は半日以上のデートや宿泊を含む長時間の行動を共にしていました。

特に正樹さんが関西にいる週末は、二人にとって自由に過ごせる絶好のタイミングとなっており、横浜や鎌倉での観光、さらに箱根・熱海方面への温泉旅行も確認されました。美和さんは息子さんに「友人と旅行に行く」と伝えて外出していました。

家族への配慮を欠いた行動

美和さんの外出頻度は顕著に増加しており、平日は午後5時から午後11時頃まで、週末は午後1時から午後10時過ぎまで外出することが続いていました。その間、息子さんが一人で夕食をとることも増え、高校2年生という大切な時期に母親の存在が薄れている実態が浮き彫りとなりました。

塾から帰宅した息子さんが家に誰もいないこともしばしばあり、美和さんは家庭内での役割や子どもへの関心よりも田中さんとの時間を優先している様子が見受けられました。

正樹さんへの中間報告と今後の方針

深刻な事実の報告

調査開始から2週間後、当事務所では中間報告として、ここまでに確認された美和さんと田中さんの関係について正樹さんに詳細を伝えました。不貞行為が強く疑われる証拠が複数揃っており、関係性が深刻であることは明らかでした。

報告を受けた正樹さんは一瞬言葉を失った様子でしたが、落ち着きを取り戻し、静かにこう話されました。「やはり、そうでしたか。疑念はあったけれど、ここまでとは思いませんでした……。」

正樹さんが最も懸念していたのは、息子さんの大学受験への影響でした。「受験まであと1年。この時期に家庭が壊れるのは息子にとって最悪です。でも、このまで何もせずに見ているわけにはいかない」と、深く悩む様子を見せていました。

証拠収集の完了

中間報告の後も調査は継続され、その後1週間で決定的な証拠が複数揃いました。具体的には、美和さんと田中さんがホテルに出入りする様子、手を繋いで歩く姿、レストランでの親密なやりとりなどが写真と動画で記録されました。

また、スポーツクラブでの接触パターンから週末の長時間の密会に至るまで、関係の発展経緯が時系列で整理され、報告書としてまとめられました。とくにホテルでの約3時間半の滞在記録は、法的手続きにおいても有効な証拠となるものでした。

報告書の提出時、正樹さんは「息子の受験を最優先に考えたい」と話され、即座に法的措置には踏み切らず、慎重な対応をとる方針を示されました。当事務所では離婚問題に詳しい弁護士をご紹介し、必要に応じて相談できる体制を整えました。

約1年後の近況報告

調査完了から約1年後、正樹さんから感謝の電話をいただきました。「あの時は大変お世話になりました。ようやく一区切りついたのでご報告させていただきたくて」とのことでした。

息子さんは無事に志望大学に合格。夫婦関係については一時的に別居も検討されたものの、息子の受験が終わるまでは冷静に協力することを優先されました。現在は少しずつ夫婦としての関係修復を図っているとのことでした。

また、田中さんに対しては弁護士を通じて慰謝料請求を行い、話し合いの末、適切な金額での和解が成立したとの報告もいただきました。「息子のためにも、もう一度やり直そうと努力している最中です。単身赴任の解消も検討しています」と前向きな言葉を残されました。

この事例から学ぶ重要なポイント

この調査事例では、単身赴任という家庭環境が夫婦関係に与える影響の大きさが浮き彫りとなりました。物理的な距離は、心の距離も広げてしまう可能性があるという現実があります。

また、子どもの受験という家族にとって重要な時期に、夫婦間の信頼が崩れかけたことで、家庭全体に深刻な影響を及ぼしかねない状況が生まれました。それでも正樹さんが「息子の将来」を最優先に考え、冷静に対応された姿勢は、多くの家庭にとって参考になるはずです。

探偵による専門的な調査により、対象者の行動を客観的に記録し、証拠を確実に残すことが可能となります。今回のように、慎重な判断をするためには事実の把握が不可欠であり、調査の意義は非常に大きいといえます。

現代社会では、仕事の都合で単身赴任や長距離通勤が避けられない家庭も多くあります。だからこそ、遠距離の夫婦が関係を維持するためには、普段以上の思いやりと信頼関係が必要です。今回の事例は、その大切さを改めて教えてくれるものでした。

※本事例は実際の調査に基づいていますが、プライバシー保護の観点から、個人が特定されないよう一部内容を変更しています。

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