
16年間の結婚生活で初めて芽生えた疑念
電話の向こうから聞こえてきた声は、迷いと困惑に満ちていました。Aさん(45歳・製造業事務職)から相談の電話があったのは、4月の平日の午後でした。
横浜市緑区長津田みなみ台で妻と中学2年生の息子、小学5年生の娘との4人暮らし。結婚16年目を迎えるAさんご夫婦は、これまで大きな問題もなく、ごく普通の家庭を築いてきました。
理想的だった妻の生活パターン
妻の美香さん(仮名・42歳)は結婚を機に正社員を退職後、子育てに専念してきました。現在は長津田駅前の調剤薬局で医療事務のパートタイムとして働いています。月曜日、水曜日、金曜日の週3日、午前9時から午後3時までという規則正しい勤務で、子どもたちの帰宅時間には必ず家にいる理想的な母親でした。
地域のPTA活動にも積極的で、近所の奥さんたちからも「しっかりした人」と信頼される存在。Aさんにとって美香さんは、16年間変わらず家族を支えてくれる頼もしい妻でした。
「美香は本当にまじめで、子どもたちのことを第一に考えてくれる女性なんです。だからこそ、最近の変化が気になって仕方がないんです」
Aさんの声には、愛する妻への信頼と、それを揺るがす不安が混在していました。
3か月前から始まった違和感
変化が現れ始めたのは、3か月ほど前からでした。最も気になったのは、パート勤務のない火曜日と木曜日の過ごし方です。
以前なら家事や子どもたちの用事に時間を費やしていた美香さんが、「買い物に行ってくる」「用事があるから」といった理由で午後の時間を外出に使うことが増えました。
「最初は食費を抑えるために、安いスーパーを探して回っているのかなと思ったんです。でも、買い物袋を持って帰ることがほとんどないんですよ」
Aさんの疑問はもっともでした。5時間も外出して、手ぶらで帰宅する「買い物」など、どう考えても不自然です。
明らかに「買い物」ではない外出
さらに気になったのは、美香さんの外出時の装いでした。近所のスーパーに行くなら普段着で十分なはずなのに、化粧を丁寧に直し、お気に入りの洋服に着替えてから出かけるようになりました。
「『ちょっとそこまで』という格好じゃないんです。まるでデートでもするかのような...そんな風に見えてしまって」
そして決定的だったのは、外出時間の長さでした。「近くのスーパーに買い物」と言って午後1時に出かけた美香さんが、午後6時まで帰宅しない。通常の買い物なら1〜2時間程度で済むはずです。
帰宅時の美香さんの様子にも変化がありました。以前なら外出先での出来事を何気なく話してくれていたのに、最近は「特売で良いものが買えた」「混んでいて時間がかかった」という曖昧な説明だけ。具体的にどこで何を購入したのかについては、詳しく話さなくなりました。
スマートフォンへの異常な執着
もう一つ、Aさんが気になっていたのは美香さんのスマートフォンに対する態度の変化でした。
「以前は食事中にスマホを触ることなんてなかったんです。でも最近は、メッセージが来ると急いで確認して、時には返信のために別の部屋に移動することもあります」
美香さんは「調剤薬局の連絡」と説明していましたが、その頻度は職場の連絡としては明らかに異常でした。休日や夜間でも頻繁に通知音が鳴り、その都度美香さんは慌てたような様子でスマートフォンを確認していました。
これらの変化が積み重なった時、Aさんの心の中に「もしかして浮気をしているのではないか」という疑念が生まれました。16年間の結婚生活で築いてきた信頼関係を疑うことに大きな葛藤がありましたが、子どもたちの将来を考え、事実を確認する必要があると判断したのです。

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調査開始:住宅地から都心部への移動を追跡
ご依頼を受けた当事務所では、まず美香さんの外出パターンを詳細に分析しました。Aさんから提供された情報によると、外出は主に火曜日と木曜日に集中しており、時間は午後1時頃から午後5〜6時頃までが多いことが判明しました。
追跡調査の開始
調査開始日として選んだのは、ある火曜日の午後でした。午後12時頃から長津田みなみ台の自宅周辺で監視を開始しました。午後12時45分、美香さんは「買い物に行ってくる。夕食の準備が遅くなるかもしれない」とAさんに告げて外出しました。
美香さんの装いは、「買い物」という説明とは明らかに不釣り合いでした。薄いピンクのブラウスに黒のパンツ、春らしいカーディガンを羽織った上品な装い。化粧も念入りに施され、エコバッグも持参せず、手には小さなハンドバッグだけ。完全にお出かけ用の格好でした。
美香さんは自宅から徒歩で長津田駅に向かい、JR横浜線に乗車しました。調査員も同じ電車に乗り、適切な距離を保ちながら追跡を開始しました。
約25分の電車移動で、美香さんが下車したのは横浜駅でした。この時点で「近くのスーパーで買い物」という説明が完全に嘘であることが明らかになりました。横浜駅周辺は横浜最大の繁華街で、わざわざ遠方まで買い物に行く必要性は全くありません。
横浜駅西口での不審な行動
横浜駅を出た美香さんは、西口の商業施設に向かいました。午後1時45分頃、地下街周辺をしばらく歩き回った後、カフェに入りました。
待ち人との密会を確認
美香さんはカフェの奥の席に座り、しきりに入口の方を気にしていました。約20分後、一人の男性がカフェに入ってきました。40代前半と思われるスーツ姿の男性で、眼鏡をかけた知的な印象の人物でした。
男性を見つけた美香さんの表情は一変し、満面の笑顔になりました。立ち上がって手を振り、男性も笑顔で応えました。二人は軽いハグを交わし、その様子は明らかに親しい間柄であることを示していました。
恋人同士の行動が明らかに
カフェでの二人は、テーブル越しに身を乗り出すようにして親密に会話を楽しんでいました。調査員は適切な距離を保ちながら観察を続けました。
二人の様子は明らかに恋人同士のもので、手を重ね合わせたり、美香さんが男性に甘えるような仕草を見せるなど、夫婦や友人関係とは明らかに異なる親密さを示していました。約1時間の会話の後、二人はカフェを出ました。その際、美香さんが男性の腕に自然に腕を絡める場面や、男性が美香さんの腰に軽く手を当てる場面も確認され、恋人関係にあることが決定的になりました。
みなとみらい地区での密会デート
カフェを出た二人は、横浜駅からみなとみらい線に乗車し、みなとみらい駅で下車しました。平日の午後でしたが、観光地としても人気の高いみなとみらい地区を選んだのは、知人に遭遇するリスクを避けるためと推測されました。
レストランでの親密な食事
二人が向かったのは、コスモワールド近くの商業施設内にあるレストランでした。窓側の席に案内された二人は、みなとみらいの景色を眺めながら食事を楽しんでいました。
レストランでの二人の様子は完全に恋人同士のもので、男性が美香さんの手を握る場面や、美香さんが男性に甘えるような仕草を見せる場面が何度も確認されました。
食事中の二人の様子からは、二人の関係が数か月にわたって続いていることが推測されました。男性が美香さんの手を握り続けたり、美香さんが男性の肩に寄りかかるような仕草を見せるなど、恋人関係特有の親密さが随所に見られました。二人の関係が深い感情的結びつきを持っていることが明らかでした。
約1時間30分の食事の後、男性が会計を済ませ、美香さんが感謝の気持ちを込めて男性の頬にキスをする場面も確認されました。
赤レンガ倉庫での散策と決定的な場面
レストランを出た二人は、赤レンガ倉庫方面に向かって散策を始めました。平日の午後で人通りも比較的少なく、二人は手をつないで歩いていました。
赤レンガパークのベンチに座り、横浜港の景色を眺めながら親密に語り合う二人。約30分間のベンチでの時間の後、二人は人目を確認してから抱き合い、長時間のキスを交わしました。この場面は決定的な証拠として写真に収められ、二人の不倫関係を裏付ける重要な証拠となりました。
別れ際には、次回の約束についても身振り手振りで話し合う様子が確認されました。二人が定期的に密会を重ねていることが行動から推測されました。
計画的な別れと虚偽の帰宅報告
午後5時頃、二人は別々の方向に向かって別れました。まず男性がみなとみらい駅方面に向かい、約10分後に美香さんが横浜駅方面に向かいました。この時間差をつけた別れ方は、同じ時間に同じ場所から帰宅することで家族に怪しまれることを避けるための計画的な行動でした。
アリバイ作りの買い物
美香さんは横浜駅からJR横浜線で長津田駅に戻りました。長津田駅前では、駅ビル内のスーパーマーケットで簡単な食材を購入しました。購入したのは冷凍食品と調味料だけで、明らかにアリバイ作りの買い物でした。
午後6時頃に自宅に帰宅した美香さんは、Aさんに「スーパーを何軒か回って、その後知り合いに偶然会ってお茶をしてきた」と説明しました。実際の行動とは全く異なる虚偽の報告でした。
帰宅後の美香さんは疲れた様子もなく、むしろ機嫌が良く、充実感に満ちた表情をしていました。
密会相手についての情報収集
数回の調査での観察により、男性の外見的特徴と行動パターンを記録しました。40代前半と推定される男性で、平日の午後に時間を調整できることから、ある程度の職位にある会社員と推測されました。
二人の関係性について
継続的な観察から、美香さんとこの男性の関係について以下のことが推測されました。二人は何らかの共通点を持って知り合った可能性が高く、定期的な密会を重ねていることから、継続的な関係にあると考えられます。
美香さんの職業が医療事務であることを考慮すると、男性も医療関係者である可能性が考えられますが、詳細については引き続き調査が必要な状況でした。
継続調査で明らかになった定期的な密会パターン
当事務所では複数回にわたる調査を実施しました。その結果、美香さんの外出には一定のパターンがあることが判明しました。
規則的な外出パターン
美香さんの外出は毎週火曜日と木曜日(パート休日)に集中しており、時間も午後の同じ時間帯で一定していました。行き先も横浜駅周辺で固定されており、これは計画的な行動であることを示していました。
外出時の装いも「買い物」の説明とは合わない上品な服装で統一されており、明らかに特定の相手との約束があることが推測されました。
より親密な関係への発展の兆候
追加調査では、二人がみなとみらい地区の様々な場所で時間を過ごしている様子が確認されました。レストランでの食事、公園での散策など、恋人らしい行動が多数観察されました。
調査を重ねる中で、二人の関係がより深い段階に発展している可能性を示す行動も確認されています。
美香さんの心理的背景
この事例では、結婚生活の中で生じた様々な要因が重なって不倫に至ったと推測されます。調査過程で観察された美香さんの行動から、以下のような背景が考えられます。
中年期における心理的変化
42歳という年齢で、家庭内では「母親」「妻」としての役割が中心となり、一人の女性としての側面が軽視されがちになっていた可能性があります。外出時の念入りな身支度からは、女性としての魅力を再確認したいという心理が読み取れました。
夫婦間のコミュニケーションの課題
Aさんは製造業の事務職として規則正しい生活を送っていましたが、夫婦間の日常会話は子どもたちのことや家庭の事務連絡が中心で、夫婦としての深い交流が不足していた可能性があります。
職業を通じた新たな人間関係
医療事務という専門性のある仕事に従事している美香さんにとって、仕事を通じた人間関係は家庭とは異なる刺激と充実感をもたらしていた可能性があります。
Aさんの決断と今後の対応
当探偵事務所がまとめた調査報告書をお受け取りになったAさんは、予想していたこととはいえ、16年間の結婚生活で築いてきた信頼が裏切られた現実に深いショックを受けられました。
受け入れがたい現実
「まさか『買い物』と言って浮気をしていたなんて...。しかも週に2回も定期的に。エコバッグも持たずに出かけて、横浜まで行ってこんなことをしていたなんて信じられません」
報告書には、横浜駅西口での密会、レストランでの親密な食事、みなとみらい地区での散策、継続的な関係を示す行動記録、そして定期的な外出パターンを示す詳細な証拠が含まれていました。これらの証拠から、美香さんが特定の男性と継続的に密会を重ねていることが明らかでした。
子どもたちを第一に考えた判断
Aさんは深いショックを受けながらも、比較的冷静に状況を分析されました。「子どもたちのことを第一に考えなければならない。でも、このような裏切りを続けられては、家族として成り立たない」との判断を下されました。
現在Aさんは、子どもたちに与える影響を最小限に抑えながら、今後の方針を検討されています。収集された証拠について専門家にご相談される予定で、家族全体にとって最善の選択を模索されています。
この事例から得られる教訓と予防策
今回の調査は、「買い物」という日常的な説明に隠された不倫の実態を明らかにしました。配偶者の説明と実際の行動時間、服装、帰宅後の買い物の有無などを注意深く観察することで、矛盾点を発見することができます。
生活パターンの変化を見逃さない
特に重要なのは、配偶者の生活パターンの変化を見逃さないことです。外出頻度の増加、服装への関心の高まり、スマートフォンの使用パターンの変化など、小さな変化でも複数重なると大きな意味を持つことがあります。
説明と実際の行動の矛盾に注目
今回のケースでは「買い物」という説明と実際の行動時間、服装、帰宅後の買い物の有無などに明らかな矛盾がありました。このような矛盾点を冷静に観察することが重要です。
現在Aさんは、この困難な状況に対して子どもたちの将来を最優先に考えた対応を検討されています。16年間の結婚生活の中で起きた問題を真摯に受け止め、家族全体にとって最善の選択を模索されています。
真実を知ることは辛いものですが、家族の将来に向けた正しい判断を下すためには必要不可欠です。同様のお悩みを抱えている方は、一人で悩まず専門家にご相談されることをお勧めいたします。
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