
改心したはずの夫への疑念
松本由紀さん(仮名、32歳・元会社員)は、生後6か月の娘を抱えながら、一人で悩み続けていました。横浜市港南区の自宅で、夫の信一さん(仮名、35歳・建設会社営業職)と3人で暮らしていますが、最近の夫の行動に強い違和感を感じていました。
信一さんとの交際は大学時代から始まり、7年の交際を経て妊娠をきっかけに結婚しました。学生時代から信一さんには女性関係で心配な面がありましたが、妊娠が判明した時の喜びようは本物で、「父親になる責任を感じている」と真剣に語っていました。
妊娠期間中の信一さんは見違えるように変わりました。つわりで苦しむ由紀さんのために家事を手伝い、妊婦向けの本を読み、ベビー用品の買い物にも積極的に付き合ってくれました。産婦人科の検診にも必ず付き添い、出産の瞬間には涙を流して喜んでいました。
「妊娠中の信一さんの変化を見て、本当に父親になる覚悟ができたんだと思いました。これまでの浮気癖も完全に過去のものになったと信じていました」と由紀さんは振り返ります。

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出産入院中の微細な変化
由紀さんは横浜市戸塚区の総合病院で出産しました。1週間の入院期間中、信一さんは毎日欠かさず面会に来て、赤ちゃんの世話を手伝ってくれました。看護師さんたちからも「協力的な旦那さん」と褒められ、由紀さんは誇らしい気持ちでした。
担当の看護師は佐々木恵子さん(仮名、28歳)という女性でした。恵子さんは経験豊富で、初産で不安な由紀さんに授乳方法や赤ちゃんのお世話について丁寧に指導してくれました。信一さんも「お世話になっています」と丁寧に接しており、由紀さんは夫の誠実な態度を頼もしく思っていました。
しかし、後から振り返ると、この時期の信一さんの行動にはわずかな変化がありました。面会時間が終わった後も病院の周辺にいることが多く、「仕事の電話があった」「コンビニで買い物をしていた」と説明していました。また、恵子さんと話す時の表情が、他の看護師さんと話す時とは微妙に違っていました。
退院後、由紀さんは実家で2か月間の里帰り生活をしました。信一さんは週末には必ず実家を訪れ、赤ちゃんの世話を手伝ってくれました。平日は仕事があるため毎日は来られませんでしたが、この期間の信一さんは理想的な父親の姿を見せており、由紀さんの両親も「良い父親になった」と喜んでいました。
自宅復帰後の不自然な発見
自宅に戻った時、由紀さんはいくつかの違和感を覚えました。リビングに見覚えのない観葉植物が置かれ、キッチンの調味料の配置が変わっていました。洗面所には知らない化粧品のサンプルもありました。信一さんに尋ねると「実家から持ってきた」「同僚からもらった」と説明しましたが、どれも納得しがたいものでした。
さらに気になったのは、信一さんの行動パターンの変化でした。里帰り中は週末に必ず実家に来ていたのに、自宅に戻ってからは決まって水曜日の夜に帰宅が遅くなるようになりました。「新しいプロジェクトが始まった」と説明していましたが、以前はそのような定期的な残業はありませんでした。
赤ちゃんの3か月検診で病院を訪れた際、恵子さんに再会しました。恵子さんは赤ちゃんの成長を喜んでくれましたが、信一さんと恵子さんが話している時の雰囲気が以前とは違って見えました。二人の間に何か特別な親密さがあるような印象を受けました。
決定的な疑念の発端
由紀さんの疑念が決定的になったのは、友人からの連絡でした。大学時代の友人から「昨日、横浜駅西口の居酒屋で信一さんを見かけた。女性と一緒にいたけど、由紀ちゃんじゃなかった。看護師さんみたいな白衣を着ていた人だった」という情報を得ました。
その日は信一さんが「重要な会議で遅くなる」と言って、午後11時頃に帰宅した水曜日でした。友人が目撃した時間は午後9時頃で、場所は信一さんの勤務先からは離れた横浜駅周辺でした。
由紀さんが信一さんに確認すると、明らかに動揺し、「そんなことあるわけない」「仕事の関係者と食事をしただけだ」と怒り出しました。この反応により、由紀さんの疑いはさらに深まりました。
その後、赤ちゃんの4か月検診で再び恵子さんに会いました。恵子さんが「旦那さん、最近お忙しそうですね。この前お会いした時も疲れていらっしゃるようでした」と何気なく話しかけてきました。由紀さんは「この前お会いした?」と聞き返しましたが、恵子さんは慌てたように「病院でお見かけしただけです」と言葉を濁しました。
しかし、信一さんは最近病院には来ていませんでした。この矛盾により、由紀さんは信一さんと恵子さんが病院以外の場所で会っていることを確信しました。
調査開始と行動パターンの解明
生後5か月の赤ちゃんを抱えてこのような不安を抱え込む辛さに耐えかね、由紀さんは当探偵事務所に調査を依頼されました。
病院の公開情報により、恵子さんは一般的な看護師のシフト勤務をしており、水曜日は日勤で午後5時に勤務が終わることが多いことが分かりました。また、継続的な調査により、恵子さんの住むマンションが横浜市西区内にあることが判明しました。
調査開始日として選んだ水曜日の夕方、午後6時30分頃に信一さんは勤務先を出て、横浜駅方面に向かいました。横浜駅で恵子さんと待ち合わせ、駅前のカフェで約1時間過ごした後、恵子さんの住むマンションに向かいました。
調査員は適切な距離を保ちながら、マンションの出入り口を監視しました。二人は自然にマンションに入り、約3時間後の午後10時30分頃、信一さんが一人で出てきました。身だしなみを整えてから帰路につく様子から、恋人関係にある二人の密会現場を確認できました。
継続調査で判明した深刻な事実
翌週の水曜日も同様のパターンが確認されました。さらに調査を進めると、二人は水曜日だけでなく、日曜日にもデートをしていることが判明しました。由紀さんが赤ちゃんの世話で忙しい日曜日の午前中に、信一さんは「仕事の資料を取りに行く」と言って外出し、実際には恵子さんとみなとみらい地区でデートを楽しんでいました。
調査開始から2週間後、さらに深刻な事実が判明しました。恵子さんが産婦人科クリニックを受診していることが確認されたのです。クリニックから出てきた恵子さんの手には妊婦向けの資料があり、妊娠している可能性が高いと判断されました。
翌週、クリニックから出てきた恵子さんが信一さんと合流し、二人で薬局に向かう場面も確認されました。購入品を確認すると、妊娠中に必要な栄養補助食品が含まれており、信一さんが恵子さんの妊娠を把握し、サポートしていることが明らかになりました。
時系列の整理と関係の発展過程
詳細な調査により、二人の関係の発展過程が明らかになりました。信一さんと恵子さんは、由紀さんの出産入院中に個人的な関係を始めました。由紀さんの里帰り期間中に関係が深化し、由紀さんが自宅に戻った後も継続的な密会を重ねていました。
恵子さんの妊娠時期は、由紀さんの出産から約4か月後と推測されました。つまり、由紀さんが新生児の世話で大変な時期に、信一さんは恵子さんとの関係を深め、妊娠に至らせていたのです。
この時系列は、由紀さんにとって耐え難い裏切りでした。自分が夫の子供を産んで間もない時期に、夫は別の女性と関係を持ち、さらにその女性を妊娠させていたのです。
決定的証拠と現実との向き合い
約3週間の調査により、以下の決定的な証拠が収集されました:
- 水曜日夜の定期的な密会記録(マンション出入りの写真)
- 日曜日のデート記録(みなとみらい地区での親密な様子)
- 恵子さんの妊娠と信一さんの関与を示す証拠(薬局での買い物同行)
- 継続的な関係を示す行動記録(3週間にわたる定期的な密会)
これらの証拠を整理した報告書を受け取った由紀さんは、予想を上回る深刻な状況に言葉を失いました。
「浮気をしているのではという疑いはありましたが、まさか私の担当看護師と、しかも相手も妊娠しているなんて。私が命懸けで信一さんの子供を産んでいる時に、こんなことをしていたなんて信じられません」と由紀さんは涙ながらに語りました。
家族会議と事実の確認
由紀さんは証拠を受け取った後、両方の両親を交えた話し合いの場を設けることを決断しました。決定的な証拠を前に、信一さんは最終的に事実を認めました。
「申し訳ない。恵子さんとは由紀の入院中に親しくなり、関係を持つようになった。恵子さんが妊娠していることも事実だ」と告白しました。
両方の両親は激怒し、由紀さんも「これ以上一緒にいることはできません」と離婚の意思を表明しました。
離婚成立と新しい人生への出発
その後の離婚協議では、信一さんの明白な有責行為により、由紀さんに有利な条件での離婚が成立しました:
- 慰謝料:信一さんから200万円、恵子さんから50万円
- 養育費:月8万円(子供が20歳になるまで)
- 財産分与:共有財産を50:50で分割(通常通り)
- 親権:由紀さんが単独親権を取得
恵子さんは病院を退職し、信一さんとの関係も破綻しました。現在、由紀さんは実家で両親のサポートを受けながら、娘との新しい生活を送っています。
「辛い経験でしたが、娘と二人で新しい人生を歩んでいきたい。真実を知ったことで、私は娘と向き合う覚悟ができました」と由紀さんは前向きに語られています。
この事例は、医療現場における信頼関係の重要性と、出産直後の女性に対する配慮の必要性を改めて浮き彫りにしました。最も信頼すべき時期における最も深刻な裏切りでしたが、由紀さんは事実と向き合い、自らの意思で前に進む道を選ばれました。
※本事例は実際の調査に基づいていますが、プライバシー保護の観点から、個人が特定されないよう詳細を変更しています。記載されている地名や施設名についても、事例の理解を助けるために使用しており、実際の調査対象や関係者とは一切関係ありません。

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