
些細な変化に気づいた妻の直感
横浜市内で夫と二人の子どもと暮らすAさん(40代・主婦)。結婚13年目を迎える、傍目には何の問題もない円満な家庭でした。
夫は大手商社の営業部に勤務する45歳で、社交的な性格と責任感の強さから職場でも信頼され、課長職まで昇進していました。以前から営業職の性質上、取引先との飲み会や接待は月に数回ありましたが、家庭を大切にする夫で、子どもたちの学校行事にも積極的に参加し、週末は家族との時間を優先する理想的な父親でもありました。
しかし、この4か月ほどの間に、夫の行動に微細ながらも確実な変化が現れ始めていました。最も顕著だったのは、帰宅時間のパターンでした。以前は残業があっても不規則で、曜日による偏りはありませんでした。ところが最近は「毎週水曜日」に必ず遅くなるようになったのです。
「初めは新しいプロジェクトでも始まったのかなと思っていました。でも、毎週水曜だけ遅いというのが不自然で…」とAさんは振り返ります。
さらに気になったのは、遅く帰った日の夫の様子でした。以前の残業後は疲労感が顔に出ていたのに、最近の水曜日は妙に機嫌が良く、時には鼻歌を歌いながら帰宅することもありました。また、これまで香水を使う習慣のなかった夫が、ほのかに女性用と思われる香りを纏って帰ることが何度かあったのです。
決定的な疑いを抱いたのは、ある水曜日の洗濯の際でした。夫のワイシャツのポケットから出てきたレシートを見ると、駅近くのイタリアンレストランの名前がありました。この店は夫の勤務地である新橋からも、主要な取引先が集中する丸の内エリアからも離れた場所で、業務で使用する理由が見当たりませんでした。
レシートの金額は8,400円で、二人分のコース料理とワインの値段として妥当でした。しかし、夫は家族に対してこの日の夕食について何も言及しておらず、「残業で遅くなった」とだけ説明していたのです。
これらの状況を総合的に判断したAさんは、「夫が不倫をしているのではないか」という疑念を抱き、真実を確かめるために当探偵事務所に調査を依頼されました。

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計画的な調査で行動パターンを把握
ご依頼を受けた当探偵事務所では、まず夫の行動パターンを詳細に分析しました。過去4か月の帰宅時間、携帯電話の使用状況、服装の変化など、Aさんから提供された情報を整理し、特に「毎週水曜日」の行動に焦点を当てた調査計画を立案しました。
調査開始日に選んだのは、ある水曜日でした。午後5時30分、夫は普段より30分早く勤務先のビルから出てきました。通常であれば新橋駅から京浜東北線で帰宅するルートを取るはずでしたが、この日は山手線に乗り換え、さらに東急東横線へと向かいました。明らかに自宅とは異なる方向への移動でした。
午後6時45分、夫は綱島駅に到着しました。改札を出ると、夫は駅前のカフェ付近で立ち止まり、スマートフォンを確認しながら誰かを待つ様子を見せました。
約15分後、一人の女性が現れました。女性は20代後半と思われ、茶髪のセミロングという髪型が印象的でした。服装は白いブラウスにベージュのジャケットという上品なオフィススタイルでした。
女性を見つけた夫の表情は明らかに明るくなり、手を振って合図を送りました。女性も笑顔で応え、二人は自然に歩み寄りました。挨拶を交わした後、二人は親しげに会話しながら駅前を歩き始めました。距離感の近さから、相当期間の関係であることが推測されました。
密会現場での決定的な証拠撮影
二人は、駅から徒歩5分ほどの場所にある落ち着いた雰囲気のイタリアンレストランに向かいました。これは、Aさんが発見したレシートと同じ店でした。
調査員は店の向かい側から二人の入店を確認し、店の外から可能な範囲で観察を続けました。レストランの構造上、完全な詳細は確認できませんでしたが、二人が親密に食事を楽しんでいる様子は十分に確認できました。特に店を出る際の様子から、恋人同士の親密さが明らかに見て取れました。食事時間は約1時間45分に及びました。
午後8時30分、二人は店を出ると、タクシーを拾いました。調査員は別のタクシーで後を追跡しました。タクシーは綱島駅を離れ、約15分かけて都筑区の幹線道路沿いにある宿泊施設に到着しました。
このホテルは一般的なビジネスホテルでしたが、立地や設備からカップルの利用も多い施設として知られていました。夫は慣れた様子でフロントに向かい、女性と一緒にチェックインの手続きを行いました。この一連の行動も離れた位置から撮影することができました。
継続調査で判明した定期的な関係
ホテルでの滞在を確認した後、調査員は周辺で待機しました。約2時間後の午後10時30分頃、まず女性が一人でホテルから出てきました。10分後、夫も一人で出てきました。
二人は別々のタクシーに乗り、それぞれ異なる方向に向かいました。夫は一度コンビニエンスストアに立ち寄り、約30分間時間を潰してから自宅方面のタクシーに乗り直していました。これは明らかに帰宅時間を調整し、妻に不審に思われないよう工作していたのです。実際、夫が自宅に到着したのは午前0時頃で、Aさんには「会議が長引いて、その後の懇親会も参加せざるを得なかった」と説明していました。
この初回調査で決定的な不倫の証拠を得た後、当事務所では女性の身元調査を実施しました。継続調査により、女性が定期的に夫の勤務先ビル近くに出入りしていることが確認でき、取引先関係者である可能性が高まりました。さらに夫の業務スケジュールとの照合により、外資系化学メーカーの営業担当者であることが判明しました。
さらに詳細な調査の結果、女性は同社営業部に勤務するBさんで、夫の勤務する商社の担当者として約6か月前から業務上の接点を持つようになっていたことが明らかになりました。二人は新商品の販売戦略策定プロジェクトで密接に連携しており、月に2〜3回の営業会議や商談が行われていました。
初回調査の成功を受けて、当事務所では計3回の追加調査を実施しました。その結果、二人の密会には一定のパターンがあることが判明しました。
密会は毎週水曜日に行われていましたが、集合場所は綱島駅周辺で数か所を使い分け、時間も午後6時30分から7時の間で変動させていました。これは警戒心の表れと考えられました。しかし、その後レストランで食事を取り、ホテルに向かうという流れは一貫していました。
2回目の調査では、レストラン前でBさんが夫にプレゼントらしき小包を渡す場面を確認しました。夫が受け取った際の表情から、これが単なる業務上の関係を超えた個人的な贈り物であることは明らかでした。
3回目の調査では、レストランを出た後に夫が一人で電話をかけている場面を確認し、会話の一部を録音することができました。「来週も同じ時間で大丈夫?」「君に会えるのが一週間で一番楽しみ」といった内容から、Bさんとの継続的で感情的な関係を築いていることが確認できました。
確実な証拠に基づく現実との向き合い
当探偵事務所がまとめた調査報告書をお受け取りになったAさんは、予想していたこととはいえ、現実を突きつけられた衝撃は計り知れないものでした。報告書には、夫とBさんの密会現場の写真、ホテル出入りの記録、会話の録音データ、二人の関係性を示す詳細な行動記録が含まれていました。
「疑ってはいたものの、実際に証拠を見ると言葉が出ませんでした。でも、曖昧な不安を抱えたまま生活するより、はっきりとした事実を知ることができて、逆に気持ちの整理がついたというのが正直な感想です」とAさんは語られました。
Aさんは冷静に状況を分析し、今後の人生設計を見直すことを決意されました。まず、離婚問題に詳しい弁護士との相談を開始し、証拠資料を基にした法的手続きの準備に入りました。写真証拠、行動記録、録音データなど、法廷で有効な証拠が十分に揃っていたため、弁護士からも「有利な条件で進められる」との見解をいただけました。
同時に、不倫相手であるBさんに対する慰謝料請求についても検討を開始されました。Bさんが既婚者であることを知りながら関係を続けていたことは状況から明らかで、法的責任を追及する根拠は十分でした。
職場関係から発展した不倫の典型パターン
この事例は、職場での人間関係から発展した不倫関係の典型例を示しています。業務上の接点から始まった関係が、共通のプロジェクトで協力する過程で個人的な親密さに発展し、やがて不倫関係へと進展していく過程が確認できました。
特に注目すべきは、夫が「取引先との関係強化」という業務上の正当性を隠れ蓑にして、不倫関係を継続していたことです。営業職という職業の特性上、取引先との頻繁な接触は自然であり、家族に対しても説明しやすい環境が不倫の継続を助長していたと考えられます。
また、毎週水曜日という固定スケジュールは、双方の都合を調整しつつ、家族や職場に怪しまれにくい曜日を選んだ結果と推測されます。このような計画性は、一時的な出来心ではなく、継続的な不倫関係であることの明確な証拠でもありました。
現在Aさんは、当事務所が収集した証拠を基に、離婚協議と慰謝料請求の手続きを進められています。13年間の結婚生活に終止符を打つ決断は容易ではありませんでしたが、確実な証拠があることで、感情に左右されることなく冷静に対処できているとのことです。
この事例が示すように、パートナーの行動に一貫した変化が見られる場合、それは単なる憶測ではなく、具体的な理由がある可能性が高いのです。「毎週決まった曜日の残業」「普段行かない場所でのレシート」「帰宅時の香り」といった小さな変化の積み重ねが、大きな真実を物語ることがあります。
真実を知ることは時として痛みを伴いますが、人生の重要な決断を下すためには必要不可欠です。疑念を抱かれた際は、一人で悩まず専門家にご相談されることをお勧めいたします。
※本事例は実際の調査に基づいていますが、プライバシー保護の観点から、個人が特定されないよう詳細を変更しています。記載されている地名や施設名についても、事例の理解を助けるために使用しており、実際の調査対象や関係者とは一切関係ありません。

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