家柄に対する考え方が変化してきた現代でも、結婚調査の需要は決して少なくありません。
結婚を考えるご本人だけでなく、ご両親が「婚約者のことを確認しておきたい」と調査を依頼されるケースも多くあります。お子さん、さらにはお孫さんの将来に関わる大きな決断ですから、不安を抱くのは当然のことです。
結婚調査は「身元・身辺調査」の一種で、「結婚前調査」とも呼ばれます。その名の通り、婚姻前に相手の素性や過去を確認することを目的としています。
この記事では、結婚調査によってどこまで調べられるのか、調査のメリット・デメリット、依頼時の注意点などをわかりやすく解説します。調査を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
結婚調査でどこまで調べられるか
多くの探偵社のWebサイトでは、「資産や借金の有無」「離婚歴・犯罪歴」「風俗関係での勤務歴」「家系情報」などを調査可能と紹介しているケースがあります。
しかし、これらの情報は以前は調べられたとしても、現在はほとんどが不可能と考えた方がよいでしょう。
かつては「データ調査」と呼ばれる方法で、個人情報の売買を通じて調査対象者の情報を得ることが行われていましたが、個人情報保護に関する取り締まりが強化された今では、そのような手段は違法となり、ほとんどの探偵社で使用できなくなっています。
したがって、調査が「不可能」とされる項目については、当探偵事務所に限らず、どの探偵社でも基本的に対応できません。
中には「可能」と偽って依頼を受け、高額な料金を請求する悪質業者も存在するため、探偵社選びには慎重さが求められます。
以下では、現在の結婚調査でどこまで調べることが可能なのか、一つずつ詳しく見ていきましょう。
通院歴・堕胎歴・美容整形
美容整形や堕胎歴を含む医療情報については、結婚調査で調べることはできません。過去には、健康保険の使用履歴などから通院歴を特定することが可能だった時代もありましたが、現在は医療機関の情報は完全に保護されており、いかなる方法でも調査することは不可能です。
職歴・水商売(風俗)での勤務歴
以前の勤務先や、風俗業・キャバクラといった水商売で働いていたかどうかも、現在は調査できません。
かつては、氏名・生年月日・住所などの情報を基に、職歴を調べることができる「職歴調査」という手法も存在していましたが、正社員ではない雇用形態(アルバイトなど)の場合、記録が残っていないことも多く、特に水商売の経歴については、当時から調査が困難でした。
現在では、こうした情報の取得は全面的に不可能と考えていただくのが現実的です。
現在の勤務先
現在の勤務先については、自宅から出勤する様子を尾行することで特定が可能です。
特に職場恋愛で相手の勤務先を把握している場合には必要ないかもしれませんが、実は「相手の仕事先を聞いてはいるけれど、実際に働いている姿を見たことがない」というケースは少なくありません。
中には、「医者」や「弁護士」と偽って詐欺まがいの行為を働く人物もおり、相手が本当にその職に就いているのかを確認することは非常に重要です。
評判(風評)
聞き込みや尾行を通じて、調査対象者が周囲にどのように評価されているかを知ることができます。
調査方法の詳細はお伝えできませんが、婚約者があなたの前では見せなかった一面が明らかになることもあり、「調査を依頼して本当によかった」と感謝されることも少なくありません。
たとえば、ギャンブル好きだったり、女装癖があったり、幼児趣味を隠していたなど、本人も知られたくない事実が浮き彫りになることもあります。そうした背景を知ることで、結婚後の生活をより現実的にイメージできるようになります。
交友関係
SNSの発達により、表面的な交友関係は見えやすくなったものの、実際の人間関係の深さや本質はネット上ではわかりません。
たとえば、「彼の女友だちだと思っていた人が実は元カノだった」「今も関係が続いていて二股をかけられていた」といったケースは珍しくありません。
このように、結婚相手の交友関係を調べることで、本人が隠していた嘘や秘密が明らかになる可能性もあるのです。
家族構成・離婚歴・犯罪歴
これらの情報については、かつては戸籍データを取得することで調査可能とされていました。
しかし現在では、第三者が戸籍情報を取得することは法的に認められておらず、家族構成や離婚歴、犯罪歴を直接調査することは不可能となっています。
過去には探偵業界で半ば黙認されていた部分もありますが、現在は個人情報保護の観点から厳しく制限されており、仮にこうした調査を「可能」と謳う探偵社があれば、法令を無視した悪質業者の可能性も否定できません。
資産・借金調査
資産調査と一口に言っても、不動産・車両・船舶・有価証券・預金口座の残高など、さまざまな項目が含まれます。原則として、これらの情報をすべて把握することは困難ですが、条件によっては一部調査可能なケースもあります。
たとえば、不動産については調査対象者が所有している土地や建物の所在地が分かっていれば、登記簿謄本を取得することで所有者を確認することが可能です。これは依頼者ご自身でも調べることができます。
また、車両についても、対象が普通自動車であり、ナンバープレートが判明していれば、所有者情報の特定は可能です。ただし、軽自動車や大型車、レンタカーなどの場合は情報が得られないこともあります。
預金残高に関しては、氏名・生年月日・住所など、既に判明している情報が揃っている場合に限り、一部の銀行口座に関しては残高の有無を把握できるケースもありますが、必ずしもすべての銀行に対応できるわけではありません。
一方で、船舶や有価証券といった資産については、現在の技術と法令の範囲では調査不可能です。
結婚調査についてよくある質問
Q. 結婚調査は違法ではありませんか?
A. 全く違法ではありません。
結婚相手の素性を調べる際、探偵社は尾行や聞き込みといった調査を行いますが、法律に反する手段は一切使用しません。アニメやドラマのように、個人の家に勝手に上がり込んだり、パソコンをハッキングしたりするような調査は当然ながら行っておらず、それらはすべてフィクションの世界の話です。
探偵業は「探偵業法」という国の法律に基づいて運営されており、公安委員会の監督・指導も受けています。違法行為が行われないよう厳しく管理されているため、安心してご依頼いただける調査業務といえます。
なお、「個人情報保護法」に関して誤解されがちですが、この法律は個人情報を取得した側ではなく、情報を漏えい・提供した側の責任を問うものです。そのため、調査の過程で探偵が個人情報を取得しても、それ自体が違法になることはありません。
Q. 結婚調査の費用はどれくらいかかりますか?
A. 相場はおおよそ30万円〜100万円以内ですが、探偵社や調査内容によって異なります。
調査期間が長くなればなるほど費用も高くなるため、費用を抑えたい場合は日数を短縮するのが有効です。ただし、調査期間を短縮すると正確な情報が得られにくくなるため、バランスを考えた依頼が重要です。
Q. 結婚調査の結果、裁判になっても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。むしろ、裁判に有利な情報を集めるのが私たち探偵社の役割でもあります。
調査の結果、相手が虚偽の情報を伝えていたことが判明し、それが原因で婚約破棄に発展した場合、裁判に発展することもあります。そのような際にも、調査で得られた事実が依頼者様の利益になるよう証拠を残すことが可能です。
実際、当探偵事務所では弁護士から直接「裁判資料として使用したい」というご依頼を受けることも多く、調査内容が公的手続きに耐えうるものであることは実証されています。
また、調査を通じて相手が結婚詐欺師だったことが判明した場合には、調査結果をもとに警察へ相談することも可能です。「少しでも怪しい」と感じた段階で、結婚調査を検討されることをおすすめします。
結婚調査のメリット・デメリット
結婚の前に相手の素性を調べる「結婚調査」は、すべての人が行うわけではありません。プロの探偵を雇って、一般の方では調べられないような個人情報にまで踏み込むことになるため、それなりの費用がかかります。
それでも多くの方が今なお結婚調査を選ぶのは、それだけの価値があると考える理由があるからです。ここでは、結婚調査を行うメリットとデメリットについて改めて整理してみましょう。
結婚調査の3つのメリット
- 結婚相手を見極めることができる
- 知らなかった事実が明らかになる
- 安心感が得られる
①結婚相手を見極めることができる
結婚調査を通じて、相手があえて話さなかった過去や、表面には出てこない性格的な部分が見えてくることがあります。
結婚後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前に真実を知ることは重要です。評判や家庭環境、堕胎歴や逮捕歴など、知らなければならない情報を知ることで、離婚のリスクを大きく減らすことができます。
②知らなかった事実が明らかになる
結婚相手が隠していたことや、疑問に思っていた点に納得のいく説明がつくこともあります。長年抱えていた不信感や違和感に対し、「やはりそうだったのか」と納得できる材料が得られるかもしれません。
もちろん、中には知りたくなかったことが含まれる可能性もありますが、現実を知ることで前向きな判断ができるケースもあります。
③安心感が得られる
調査を行った結果、特に問題が見つからなかった場合は、「信頼して大丈夫だったんだ」と、むしろ相手に対する信頼感が増すこともあります。
結婚は人生を共に歩む選択です。不安な気持ちを抱えたまま結婚生活に入るより、調査を通じて確信を得られる方が精神的にも安定しやすくなります。
実際、調査の結果「特に問題はありませんでした」というケースも多く、マリッジブルーで悩んでいる方にとっては、結婚調査が気持ちを整えるきっかけになることもあります。
結婚調査の2つのデメリット
- 費用がかかる
- 後ろめたさを感じることがある
①費用がかかる
結婚調査には、内容や期間にもよりますが、一般的に30~100万円ほどの費用がかかります。確かに安いとは言えない金額ですが、結婚という人生の重大な選択に失敗しないための投資と考えれば、決して無駄な出費ではありません。
仮に問題のある相手と結婚してしまい、離婚となれば、慰謝料や時間的損失など、金銭面以上の代償を払うことになります。
費用を抑えたい場合は、調査日数を短縮したり、調査範囲を絞ったりする方法もありますが、その分、得られる情報の精度が落ちることもあるため注意が必要です。
②後ろめたさを感じることがある
調査の結果、相手に特に落ち度がなかった場合、「信用していないようで申し訳なかった」と感じることもあるかもしれません。
しかし、そうした気持ちから調査そのものをためらってしまうと、本当に必要な情報を見逃してしまうことにもつながります。万が一のリスクを避けるためには、後悔しないための行動が大切です。
なお、調査後に気持ちの整理がつかない場合には、カウンセラーが在籍している探偵事務所もあります。必要であれば、気軽に相談してみてください。
結婚調査を興信所に任せた方が良い3つの理由
結婚調査は、誰にでも簡単にできるものではありません。例えば、近所に「この人のことを教えてください」と聞き回っても、警察関係者でない限り、相手にしてもらえないでしょう。
また、結婚相手の銀行口座の残高を確認したくても、一般の方が金融機関に問い合わせたところで、「個人情報ですのでお答えできません」と断られるのが当然です。
一見簡単そうに見える尾行や張り込みすら、実際には高度な技術が求められます。プロである私たち探偵でも、同業者に気付かれず尾行を続けるのは簡単なことではありません。だからこそ、確実な調査結果を得たいなら、興信所に依頼するのが最善です。
理由① 調査していることが相手にバレない
一般の方が尾行や情報収集を行うと、不審者扱いされるリスクが高く、最悪の場合は警察に通報されることもあります。そうなれば、調査していることが相手に知られ、関係がこじれてしまう可能性も否定できません。
その点、探偵は尾行や張り込みの訓練を受けており、高い技術と経験に基づいて調査を遂行しています。調査対象者に気付かれずに行動を把握するためには、やはりプロの手腕が不可欠です。
理由② 普通では知り得ない情報まで把握できる
表面的な情報は誰でも調べられる時代ですが、その裏に隠された真実を見抜くには専門技術が必要です。
例えば、「現在は借金がない」としても、過去に自己破産していたり、結婚歴があったり、DVが原因で別れた過去があるなど、本人の申告だけでは分からない情報があることも。
一般の調査では限界がありますが、私たち探偵は緻密な調査を重ねることで、複数の真実を浮き彫りにすることができます。
理由③ 結婚相手の情報を正しく判断できる
一般の方が尾行した場合、先入観にとらわれて誤った判断をしてしまうケースがあります。
たとえば、婚約者が女性と一緒に歩いていたのを見て「浮気だ」と思っても、実は妹だったということもあれば、彼の家から出てきた女性が実は女装していた本人だった…という驚くような事例も、実際に存在します。
私たちは常に客観的に、第三者の視点から事実を正確に記録し、ご報告します。そのため、誤解や思い込みによるトラブルを回避しやすく、後悔のない判断が可能になります。
まずは興信所に「相談だけ」でもしてみましょう
探偵の仕事は、アニメやドラマの影響で「意外と自分でもできそう」と思われがちですが、実際はそう簡単ではありません。
ネット上には「自分で調査して成功した」という体験談もありますが、その陰には失敗例が無数に存在します。そして中には、その失敗が原因で人生や家族の将来が大きく狂ってしまったという深刻なケースも少なくありません。
正確な情報を手に入れるためには、特殊な技術や専用機器が必要です。調査経験がない方が独自に動くことは、結果的に相手に不審がられたり、逆にトラブルを引き起こす原因にもなります。
結婚調査について少しでも気になった方は、まずは当探偵事務所に見積もりだけでもご相談ください。見積もりをご確認いただいてから、依頼するかどうかを決めていただいても構いません。
当探偵事務所では、「できること」「できないこと」を明確にご説明し、依頼者様にとって最善の方法をご提案しています。数ある探偵社の中でどこに依頼すべきか悩んだら、まずはご相談だけでも、お気軽にご連絡ください。
結婚調査の具体的な調査項目や費用について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。