偽りの独身生活 - 結婚詐欺の巧妙な手口を暴く【横浜の結婚調査事例】
依頼のきっかけ
5月の爽やかな午後、当探偵事務所に一人の男性が相談に訪れました。田中健一さん(仮名、45歳・IT関係会社員)は、横浜市港南区に住む離婚経験者で、約1年前から交際している女性との結婚を真剣に考えていました。しかし、その女性について「どうしても納得できない点がある」として、結婚調査を依頼されました。
田中さんの交際相手は、山田美香さん(仮名、38歳)という女性です。美香さんは「3年前に離婚し、現在は8歳の息子と二人で生活している」と田中さんに説明していました。二人はマッチングアプリで知り合い、美香さんのプロフィールには「離婚・子どもあり」と明記されていました。
「美香さんはとても魅力的で、息子さんも人懐っこくて良い子です。でも、どうしても気になることがあるんです」と田中さんは困惑した表情で語りました。
田中さんが違和感を覚えたのは、美香さんが前夫に関する話を極端に避けることでした。離婚理由について尋ねても「価値観の違い」「詳しくは話したくない」と曖昧にはぐらかし、養育費や面会交流についても「一切関わりたくない」と強い拒否反応を示していました。
また、美香さんの自宅マンションは港南中央駅から徒歩5分の好立地にある築浅物件で、家賃は15万円程度と推測されました。美香さんは派遣社員として働いているとのことでしたが、その収入でこの家賃を支払いながら子育てをするのは現実的に困難に思えました。
さらに決定的だったのは、美香さんが息子さんの学校行事について話す際の内容でした。「参観日に一人で行くのが寂しい」「運動会で他の家族を見ると切なくなる」と言いながらも、実際の学校での様子を詳しく聞くと、具体的な答えを避ける傾向がありました。
「再婚は人生をかけた重要な決断です。前回の離婚で辛い思いをしたので、今度は確実に信頼できる相手と結ばれたい。でも、美香さんについて疑問を感じてしまう自分も嫌で、どうしたら良いかわからないんです」
田中さんの真剣な想いを受け、当事務所では詳細な結婚調査を実施することになりました。

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調査開始と基本情報の確認
調査を開始するにあたり、まず美香さんの基本的な生活実態の把握から始めました。美香さんが住んでいるとされるマンションは、港南中央駅近くの「ガーデンコート港南」という築3年の高級賃貸物件でした。
調査初日の朝7時から、マンション周辺での監視を開始しました。午前8時頃、美香さんが息子さんと一緒にマンションから出てきました。息子さんを近くの小学校まで送った後、美香さんは港南中央駅から電車で通勤していきました。
ここまでは美香さんが説明していた通りの行動パターンでした。しかし、夕方になって興味深い事実が判明しました。午後6時頃、美香さんが息子さんを迎えに小学校に向かう途中で、30代後半と思われる男性と合流したのです。
この男性は身長175センチ程度、がっしりした体型で、ビジネススーツを着用していました。美香さんと自然に会話を交わし、一緒に小学校へ向かう様子は、まるで夫婦のようでした。
小学校で息子さんを迎えた際の三人の様子を観察すると、息子さんは男性に対して「お疲れさま」と声をかけ、男性も息子さんの頭を撫でるなど、親子のような親密な関係性が見て取れました。
決定的証拠の発見
翌日の調査で、さらに衝撃的な事実が明らかになりました。前日に美香さんと合流した男性が、朝の時間帯にマンションから出てくる姿が確認されたのです。つまり、この男性は美香さんと同居している可能性が高いということでした。
男性の後を追跡すると、港南中央駅から電車で横浜駅に向かい、そこから建設会社のオフィスビルに入っていきました。受付での様子から、この会社の正社員として働いていることが推測されました。
同日の夕方、再び三人が一緒に行動する様子が確認されました。今度は近くのスーパーマーケットで夕食の買い物をしており、男性が会計を担当していました。まさに一般的な家族の日常風景そのものでした。
この時点で、美香さんが田中さんに話していた「離婚してシングルマザーとして生活している」という説明に重大な疑問が生じました。
男性の身元調査と関係性の確認
美香さんと同居している男性について、詳細な調査を実施しました。男性が勤務している建設会社の関係者から聞き込みを行ったところ、この男性は佐藤隆志さん(仮名、40歳)という名前で、現場監督として長年勤務している真面目な社員であることがわかりました。
さらに重要な情報として、佐藤さんは会社では「妻と息子がいる」と話しており、家族写真を職場のデスクに飾っていることも判明しました。同僚の証言では「奥さんは美人で、息子さんをとても大切にしている良い父親」という評価でした。
また、佐藤さんの勤務先の同僚から「最近、奥さんが土日に仕事をするようになったと話していた」という証言も得られました。これは美香さんが田中さんとのデートに出かけている時間と一致していました。
郵便受けと表札からの情報収集
マンションの郵便受けを確認したところ、「佐藤」という表札が確認されました。美香さんが田中さんに伝えていた「山田」という姓は偽名だった可能性が高まりました。
また、郵便受けには家族向けの保険会社からの案内や、息子さんの学習塾からの連絡など、家族として生活していることを示す郵便物が多数確認されました。特に、夫婦連名で送られてきた生命保険の更新案内は、二人が現在も法的に夫婦である可能性を強く示唆していました。
学校関係者からの証言
息子さんが通う小学校周辺での聞き込み調査により、さらに詳細な情報が得られました。近隣の保護者からは「佐藤さんご夫婦はとても仲が良くて、学校行事にもいつも二人で参加されている」「息子さんもお父さんをとても慕っている」という証言が複数得られました。
学校の運動会では、佐藤さんが父親として徒競走に参加している姿も目撃されていました。美香さんが田中さんに語っていた「一人で学校行事に参加する寂しさ」は、完全な作り話だったのです。
また、PTAの活動においても「佐藤隆志・佐藤美香」として夫婦で参加していることが、保護者からの情報により判明しました。
美香さんの二重生活の実態
約2週間の調査により、美香さんの生活実態が明らかになりました。美香さんは平日の昼間と週末の一部の時間を利用して田中さんと交際していましたが、それ以外の時間は佐藤さんと息子さんと一緒に家族として過ごしていました。
美香さんの行動パターンが詳細に判明しました。平日は朝を家族として過ごし、昼間は派遣の仕事をし、夕方以降は再び家族として過ごしていました。土曜日の午後と日曜日の午前中だけが田中さんとのデート時間でした。
美香さんは田中さんには「土日は息子と二人の時間を大切にしたい」と説明し、実際には佐藤さんと過ごす時間を確保していました。また、田中さんには「息子が人見知りなので、まだ紹介は早い」と言いながら、実際には息子さんは佐藤さんと良好な関係を築いていました。
近隣住民からの証言
マンションの近隣住民からの聞き込みにより、佐藤家の生活実態がさらに詳しく判明しました。管理人の証言では「佐藤さんご家族は3年前から入居されていて、とても仲の良いご家族です。朝は一緒に出かけて、夕方は家族で帰宅されることが多いです」とのことでした。
また、同じマンションの住民からは「奥様は最近、土日にお出かけされることが多くなりましたが、平日は旦那様と仲良く過ごされている様子です」「息子さんは礼儀正しくて、両親をとても慕っているようです」という証言も得られました。
SNSとオンラインでの情報操作
美香さんのSNSアカウントを調査したところ、巧妙な情報操作が行われていることがわかりました。表向きのアカウントでは確かにシングルマザーとしての投稿が中心でしたが、別のアカウントでは佐藤さんとの家族写真や幸せそうな日常が投稿されていました。
特に注目すべきは、同じ日に異なるアカウントで正反対の内容を投稿していたことです。田中さん向けのアカウントでは「一人で頑張る母親」というイメージを演出し、家族向けのアカウントでは「幸せな家族生活」を投稿していました。
マッチングアプリでのプロフィールも同様で、離婚経験者として登録しながら、実際には現在進行形で結婚生活を送っていました。美香さんは複数の男性と同時に交際していた可能性も浮上しましたが、田中さんとの関係が最も深刻なものでした。
金銭面からの調査
美香さんの経済状況についても詳しく調査しました。派遣社員としての収入は月20万円程度と推測されましたが、マンションの家賃15万円を考慮すると、一人での生活は現実的に困難でした。
しかし、佐藤さんの建設会社での収入(月35万円程度)を合わせれば、現在の生活水準は十分に維持可能でした。また、息子さんの学習塾の費用や習い事の費用なども、夫婦合算の収入で支払われていることが推測されました。
美香さんが田中さんとのデートで使用していた洋服やアクセサリーも、佐藤さんからのプレゼントである可能性が高いことがわかりました。
動機の推測と背景
なぜ美香さんがこのような二重生活を送っていたのか、調査を通じて見えてきた背景があります。
佐藤さんの建設会社は安定していましたが、美香さんは派遣社員として働いており、将来への不安を感じていた可能性があります。田中さんはIT関係の正社員で、経済的により安定した立場にありました。
また、美香さんは結婚生活に何らかの不満を抱えていた可能性もあります。ただし、離婚を選択するほどではなく、現状を維持しながら「保険」として別の関係を築こうとしていたのかもしれません。
さらに、美香さんが30代後半という年齢で、将来に対する不安から複数の選択肢を確保しておきたいという心理が働いていた可能性もあります。
田中さんへの報告と反応
約1か月間の調査を終え、田中さんに詳細な報告を行いました。写真、動画、近隣住民の証言記録、学校関係者からの情報など、総合的な調査報告書をお渡ししました。
田中さんは最初、信じられないという表情でしたが、証拠の量と質を確認するにつれ、徐々に現実を受け入れざるを得なくなりました。
「まさか現在も結婚生活を送っているとは思いませんでした。美香さんの息子さんへの愛情は本物だと思っていましたが、それも演技だったのでしょうか。いえ、息子さんへの愛情は本物でしょうが、相手は私ではなく佐藤さんだったということですね」
田中さんは冷静に状況を分析し、「結婚前にこの事実を知ることができて本当に良かった。もし結婚後に発覚していたら、取り返しのつかないことになっていました」と語りました。
美香さんとの最終対決
田中さんは証拠を持って美香さんと直接対面することを決意しました。その場面に当事務所の調査員も同行し、安全確保と証言記録のために立ち会いました。
美香さんは最初、証拠を突きつけられても「誤解です」「偶然です」と否定していましたが、継続的な同居の証拠や近隣住民の証言を示されると、ついに事実を認めました。
「私は嘘をつくつもりではありませんでした。本当に離婚を考えていて、田中さんとの関係は真剣でした。でも、息子のことを考えると、いきなり環境を変えるのが怖くて…」
美香さんの説明では、夫婦関係がうまくいっておらず、離婚を検討していたが、息子さんの学校や生活環境を考慮して決断できずにいたとのことでした。田中さんとの関係は「将来への準備」として始めたが、次第に深くなってしまったと主張しました。
しかし、田中さんは「どのような事情があっても、現在結婚している状態で別の男性と交際し、結婚を前提とした関係を築くことは許されない。息子さんのことを考えるなら、なおさら誠実であるべきだった」と厳しく指摘しました。
調査後の展開と教訓
田中さんは美香さんとの関係を完全に断ち切りました。美香さんは最後まで「いずれは離婚するつもりだった」と主張しましたが、田中さんは「信頼関係の土台が崩れた以上、修復は不可能」として、一切の連絡を絶ちました。
この事例から得られる教訓は多岐にわたります。結婚調査の重要性について言えば、特に再婚の場合、相手の現在の生活実態を正確に把握することは必須です。マッチングアプリやSNSの情報だけでは真実は見えません。
複数の証拠の必要性も明らかになりました。単発の目撃情報だけでなく、継続的な調査により生活実態を把握することが重要です。
近隣関係者からの情報収集について、住民や学校関係者からの証言は、対象者の実際の生活状況を知る上で非常に有効であることが証明されました。
子どもの存在による複雑さも浮き彫りになりました。子どもがいる場合、相手の行動パターンや動機がより複雑になる可能性があります。
現代社会の結婚詐欺の特徴
この事例は、現代社会における結婚詐欺の新しい形態を示しています。従来の結婚詐欺は金銭目的が明確でしたが、現在は経済的安定や将来への不安から、「保険」として複数の関係を維持するケースが増えています。
特にマッチングアプリの普及により、複数の相手と同時に関係を築くことが技術的に容易になりました。また、SNSを使い分けることで、異なる人格を演じることも可能になっています。
被害者への影響と対策
田中さんのように、真剣に再婚を考えていた男性にとって、このような裏切りは深刻な心的外傷となります。特に離婚経験者の場合、「今度こそ幸せになりたい」という強い想いがあるため、騙されたときのショックはより大きくなります。
防止策としては、相手の基本情報について複数の方法で確認すること、生活実態と申告内容の整合性をチェックすること、重要な決断の前には専門機関による調査を検討すること、相手の過去について適切な範囲で確認することなどが重要です。
まとめ
今回の調査は、現代社会における結婚詐欺の複雑さと、結婚調査の重要性を改めて示すものでした。美香さんの行為は法的にも道徳的にも許されるものではありませんが、彼女なりの事情や不安があったことも事実です。
しかし、どのような事情があっても、相手を欺いて関係を築くことは許されません。特に結婚という人生の重要な決断に関わる場合、誠実さは絶対に必要な要素です。
田中さんは現在、この経験を教訓として、より慎重に人間関係を築いています。「辛い経験でしたが、より深刻な事態になる前に真実を知ることができて良かった。今後は信頼できる関係を、時間をかけて築いていきたい」と前向きに語っています。
当探偵事務所では、このような複雑な事例にも対応できるよう、継続的に調査技術の向上に努めています。結婚は人生の重要な決断です。疑問や不安を感じた際は、一人で悩まず専門機関にご相談いただくことを強くお勧めします。
※本事例は実際の調査に基づいていますが、プライバシー保護の観点から、個人が特定されないよう詳細を変更しています。記載されている地名や施設名についても、事例の理解を助けるために使用しており、実際の調査対象や関係者とは一切関係ありません。
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