最近、探偵事務所のホームページやSNSを見ていると、「現場に出ています」と堂々と顔出ししている代表者の投稿をよく見かけます。
もちろん、見た目の安心感を与えたいとか、誠実な印象を伝えたいといった意図があるのかもしれません。でも正直なところ、それだけではなく、承認欲求や自己顕示欲も少なからずあるのではないかと感じてしまいます。

言っておきたいのは、これは広報活動としての顔出しの是非ではありません。
私が問題だと思っているのは、実際に現場に出て調査をしている人物が、ネット上で顔を公開しているということです。

探偵という仕事は、対象者に気づかれたら終わりです。
相手に気づかれずに行動を把握し、必要な証拠を撮る。そのために、目立たない服装、控えめな動き、慎重な判断が求められる仕事です。
そんな職業の人間が、自らの顔を公に晒すというのは、正直、私からすると信じがたい行為です。

実際、浮気をしている人や何か後ろめたい行動をしている人の中には、自分が調査される可能性に気づき、探偵事務所の情報をネットで調べているケースもあります。
どういうふうに調査されるのか、どこまで調べられるのか――そういった情報を必死に集めている人は意外と少なくありません。

そのときに、現場に出ている探偵の顔がネットに載っていたらどうなるか。

「この人が来たら、探偵の可能性がある」と気づかれた時点で、尾行も張り込みも成立しなくなります。
調査が失敗するだけならまだしも、場合によっては依頼者に不利益が生じるリスクだってあるわけです。

探偵の仕事というのは、徹底的に裏方であるべきです。
調査に出る人間の顔が知られてしまっていたら、その時点で調査の精度も信頼性も落ちるのは当然です。
対象者に気づかれるというのは、単に仕事が失敗するというだけではなく、「依頼者を守れない」ということでもあります。

探偵は、依頼者の人生の節目に立ち会うこともある、とても責任の重い仕事です。
それなのに、自分の名前や顔をアピールすることを優先してしまう姿勢には、どうしても疑問を感じざるを得ません。

「顔を出しているから誠実そう」「代表者の人柄が見えるから安心」――そう思う方がいるのも理解はできます。
ですが、その裏でどれだけリスクが生まれているのかを、本当に考えている探偵がどれほどいるでしょうか。

探偵の本質は、「証拠を押さえること」と同じくらい、「バレないこと」にもあります。
依頼者の方は、調査が確実に行われることを願って相談されます。
その信頼に応えるためには、自分を目立たせることではなく、徹底して裏に回る覚悟が必要なんです。

私たちは、調査員を表に出すようなことは一切していません。
もちろん、顔を出しているからといって全否定するつもりはありませんが、少なくとも「現場に出ている人間が顔を公開すること」に対しては、はっきりとNOと言いたいです。

探偵に必要なのは、自分の存在感を出すことではありません。
どこまでも依頼者の陰で動き、確実に証拠を押さえること。
そのために、顔も名前も極力伏せて、地味に、でも着実に仕事をこなす姿勢こそが、信頼される探偵だと私は思っています。

私たちは、依頼者の立場に立って物事を考えます。
もし自分が依頼する立場だったら、現場に出る調査員の顔がネットに載っている事務所に安心して頼めるか――私は、無理です。

あなたのことを、自分のことのように考える探偵事務所。

アルリボン調査事務所

神奈川県横浜市中区長者町2-5-18-501
TEL: 045-306-8269
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E-mail: info@illreborn.com
探偵業届出番号:第45140055号