
調査依頼の経緯
常連客からの高価なプレゼント
横浜市中区の繁華街で接客業に従事する依頼者の女性(20代)から、「もしかして監視されているかもしれない」という不安な声で当事務所に相談がありました。
依頼者によると、約2か月前に店舗の常連客である男性から「いつもお世話になっているお礼に」という理由で、最新のAndroidスマートフォンをプレゼントされたとのことでした。その男性は頻繁に来店する上客で、依頼者に対して特別な好意を示すことが多かったそうです。
当初、依頼者は高価なプレゼントに戸惑いましたが、古い機種を使っていて買い替えを検討していた時期でもあり、「せっかくの厚意を無駄にするのも申し訳ない」という気持ちで受け取ったとのことでした。男性は「君にはいつも癒されているから、これくらいは当然だよ」と言って親切に対応してくれたそうです。
違和感の始まり
新しいスマートフォンを使い始めてから2週間ほど経った頃、その男性客の発言に微妙な変化が現れました。最初は気のせいかと思っていた依頼者でしたが、次第にその違和感は確信に変わっていきました。
「昨日は天気が良かったから、友達と桜木町でショッピングを楽しんだんでしょう?」「この前の夜、家でドラマを見てたみたいだけど、どんな内容だったの?」といった具合に、依頼者が話した覚えのないプライベートな内容を詳細に知っているのです。
特に不可解だったのは、依頼者が仲の良い友人とLINEでやり取りした内容や、自宅での何気ない過ごし方まで把握していることでした。「昨日の夜、お母さんと電話で話してたみたいだけど、元気にしてる?」といった発言を聞いた時、依頼者は第三者が知るはずのない情報をなぜ知っているのか理解できませんでした。
エスカレートする監視の痕跡
さらに状況は悪化していきました。男性は依頼者の行動パターンについても詳しく把握していました。「いつも午後2時頃にコンビニに買い物に行くよね」「夜の10時過ぎに近所を散歩するのが日課になってるみたいだね」といった発言を繰り返すようになったのです。
依頼者はSNSに個人的な投稿をする習慣がなく、そうした詳細な情報を外部に漏らす心当たりも一切ありませんでした。店舗での会話中にも、そこまで具体的な私生活の話をした記憶はないとのことでした。むしろ、接客業として適切な距離感を保つよう心がけており、プライベートな話題は避けていたそうです。
最も恐怖を感じたのは、自宅で一人でいる時の様子まで知られていることでした。家族にも話していない個人的な悩みについて男性が言及した時、依頼者は完全に恐怖を覚えました。その内容は、深夜に一人で考え込んでいた事柄で、誰にも相談していないものだったからです。
監視への確信
この時点で依頼者は、プレゼントされたスマートフォンに何らかの仕掛けがあるのではないかと疑い始め、当事務所への相談を決意されました。「もしかしたら考えすぎかもしれませんが、あまりにも不自然で怖くて仕方がありません」という言葉からは、依頼者の深刻な不安が伝わってきました。

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スマートフォン調査の開始
初期検査での発見
依頼を受けた当事務所では、まず持参されたスマートフォンの外観チェックから開始しました。一見すると通常の市販端末と何ら変わりがなく、メーカー保証シールも正規品のものでした。しかし、詳細な検査を行うと、異常が発見されました。
端末の動作パターンを監視すると、ユーザーが操作していない時間帯でも定期的にデータ通信が発生していることがわかりました。通常のスマートフォンでも自動更新などでデータ通信は行われますが、この端末の通信量と頻度は通常とは異なるものでした。特に、夜間の時間帯や依頼者が自宅にいる時間に集中して大容量のデータ送信が行われていました。
システム内部の解析
さらに詳しい調査を進めるため、端末を詳しく調べました。その結果、依頼者がまったく気づいていない場所に、正規のアップデートアプリを装った不正プログラムが潜んでいることが判明しました。見た目には何の異常もない端末でしたが、実際には巧妙に監視アプリが隠されていたのです。
このシステム更新アプリを偽装したソフトは、一般的なシステムアプリと区別がつかないように作られていました。アプリのアイコンも表示されず、端末の設定画面からも通常の方法では発見できない状態になっていました。
悪質なスパイ機能の発見
発見されたスパイアプリの機能を調べていくと、その問題の大きさがわかってきました。カメラ機能を無断で起動し、定期的に写真撮影を実行している形跡が確認されました。撮影は1日に数回行われており、依頼者の自宅での様子や外出先での行動が記録されていました。
音声録音機能も組み込まれており、マイクを定期的に起動して周囲の音声を録音していました。これで男性客が依頼者の私的な会話内容を知っていた理由がわかりました。
位置情報の取得機能も搭載されており、GPS機能を使って依頼者の居場所を監視していました。移動ルートや滞在時間が記録されており、行動パターンが把握されていました。
監視のパターン
アプリがどのように動いているかを調べると、監視活動のパターンが見えてきました。平日の昼間は1時間間隔で位置情報を取得し、夜間は30分間隔に短縮されていました。自宅にいる時間帯は、カメラとマイクの起動頻度が増加し、プライベートな時間により集中的に監視が行われていることが判明しました。
これらの設定により、男性客は依頼者の基本的な生活パターンを把握し、店舗での会話で具体的な私生活の内容に言及することができていたのです。
監視の実態調査
データの処理方法
収集されたデータがどう扱われているかを調べるため、アプリの動きを確認しました。撮影された画像や録音された音声は、端末内で保存された後、インターネット経由で外部に送信されるようになっていました。
データの送信は依頼者がスマートフォンを使用していない時間帯に行われており、普段の使用では気づきにくい状態でした。アプリの動きを調べると、定期的にデータが外部に送られていることがわかりました。
通信先の調査
スパイアプリがどこにデータを送っているかを調べました。アプリの通信記録を確認したところ、収集されたデータが特定の場所に送信されていることがわかりました。
その送信先を調べると、横浜市内の特定エリアの回線であることが判明しました。データ送信は主に夜間の時間帯に集中しており、監視者が個人的にデータを確認している様子がうかがえました。
送信タイミングの確認
スパイアプリがどのタイミングでデータを送っているかを調べました。男性客の来店時間と比較してみると、男性が店舗にいない時間帯にデータ送信が集中している傾向が見られました。これは個人が自宅でデータを確認している可能性を示すものでした。
状況の整理
男性客の店舗での様子と、スパイアプリの動きを比較してみました。男性が店舗にいる時間帯は監視活動が減り、その後にデータ確認を行っている様子が見られました。
特に気になったのは、男性が依頼者の私生活について話した日と、監視データが収集された日が重なるケースが何度もあったことです。これらの状況から、男性が監視データを見てから店舗で依頼者に話しかけている可能性が高いと思われました。
遠隔操作の可能性
さらに問題だったのは、このスパイアプリが遠隔で操作設定が変更できるよう設計されていた可能性があることです。監視者側から通知や設定の切替が可能だった可能性があり、監視の頻度や対象を外部から調整できるようになっていたと推測されます。
依頼者の行動パターンを見ると、外出時に撮影頻度が上がるなど、監視内容が状況に応じて変化していることがわかりました。これは男性客が外部から操作を行っている可能性を示すものでした。
決定的証拠の確保
男性客が監視者であることを示す重要な証拠を確保することができました。スパイアプリの通信記録を分析した結果、データの送信パターンと男性客の行動パターンに複数の一致点が見つかりました。
さらに、男性が依頼者に話しかけた内容と監視データの収集時刻が一致するケースが複数回確認され、これらの状況証拠により男性客がスパイアプリを仕込んだ可能性が高いことが判明しました。
事実確認と監視者との対峙
証拠を突きつけての問いただし
調査結果を依頼者に詳しく報告した後、依頼者はその証拠を持って該当の男性客に直接問いただすことを決意されました。最初に店舗で軽く話を振ってみたところ、男性は「そんなことをするはずがない」「君の考えすぎじゃないの?」と強く否定していました。
しかし、依頼者が当事務所で作成した調査報告書をもとに、アプリの動作やデータ送信の記録を示すと、男性は長い沈黙の後、しぶしぶ認め始めました。スマートフォンの動作記録とデータのやりとりをまとめた証拠ファイルを提示された時、男性はそれ以上の否認を諦めたような様子を見せました。
身勝手な動機の告白
追い詰められた男性は、最終的に監視行為の事実を認めることになりました。「君の気を引きたかった」「君にもっと関心を持ってほしかった」「君のことをもっと知りたかった」といった未熟で歪んだ執着心から生まれた理由を述べて正当化を図りました。
さらに男性は「君が僕のことを意識してくれないから、こうするしかなかった」「普通に話しても興味を持ってもらえなかった」などと、自分の行為を一方的な感情によるものとして説明しようとしました。
しかし、これらの理由は正当性を欠いており、プライバシーの重大な侵害行為でした。依頼者との関係は店舗での客と店員という立場であり、私生活を監視する権利など一切なかったのです。
今後の対応について
証拠保全と専門家の紹介
この事案は不正アクセス禁止法違反、プライバシー侵害、場合によってはストーカー規制法違反にも該当する可能性が高い事案でした。当事務所では依頼者に対して、まず発見されたスパイアプリの詳細情報、通信記録、監視データなどを法的証拠として完全に保全することを提案しました。
当事務所では、必要に応じて連携する弁護士をご紹介しています。依頼者は弁護士の助言を受けながら、刑事告発や民事上の損害賠償請求について今後の対応を検討されているようでした。
セキュリティ強化の実施
今後の安全確保も重要な課題でした。まず、問題のスマートフォンは証拠保全後に完全に初期化し、新しい端末への買い替えを実施しました。新端末の選定では、セキュリティ機能が充実している機種を選び、依頼者が自分で設定を行う前に、当事務所が安全性の観点から事前にレクチャーを行いました。
新端末では、アプリのインストール時の確認手順を詳しくご説明し、提供元不明のアプリは絶対にインストールしないよう注意喚起を行いました。また、定期的なセキュリティチェックの方法や、異常な動作を発見した場合の対処法についても詳しくお伝えしました。
さらに、今後は個人的な関係者からの電子機器のプレゼントについては十分な注意を払うこと、特に設定作業を他人に任せることの危険性についても詳しくご説明しました。どんなに親切に見える申し出でも、プライバシーやセキュリティに関わる部分は自分で管理することの重要性を強調しました。
安全対策の強化
男性客の行為はストーカー行為に該当する可能性があるため、総合的な安全対策が必要でした。依頼者は勤務先の店舗責任者と詳しく相談し、該当男性の来店拒否措置を取ることになりました。店舗側も事態の深刻さを理解し、警察通報を前提とした対応マニュアルを作成し、来店時の警戒体制を強化してくれることになりました。
また、依頼者の自宅周辺での警戒も強化することをお勧めしました。帰宅時の注意点や、不審な人物を発見した場合の対処法についても詳しくアドバイスしました。当面の間は、可能な限り一人での行動を避け、信頼できる人と一緒に行動することをお勧めしました。
調査完了後の状況
依頼者からの報告
依頼者から後日、ご報告をいただいた範囲では、新しいスマートフォンに完全に切り替え、セキュリティ対策を強化して生活されているとのことでした。ご紹介した弁護士との相談が継続しているようで、法的手続きについて検討を進められているようです。
勤務先でも何らかの対応がなされた様子が伺え、該当男性による新たな問題は発生していないとのことでした。依頼者からは「以前のような不安を感じることなく、安心して日常を過ごせるようになった」とのお言葉をいただいています。
この事例から学ぶべきこと
この事例は、一見善意に見えるプレゼントにも悪意が潜んでいる可能性があることを示しています。特に接客業に従事する方は、顧客との適切な距離感を保つことの重要性を改めて認識していただきたいと思います。
しかし、このような「親切を装った監視」は誰の身にも起こりうることです。近年、スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器を悪用した監視被害は増加傾向にあり、見えない監視のリスクが高まっています。
今回の依頼者のように、「なんとなく私生活を知られている気がする」という違和感を覚えたら、それは思い込みではなく現実の被害である可能性があります。技術の進歩により監視機器が小型化・高性能化する一方で、一般の方々がそのリスクを十分に認識していない現状があります。
当事務所では、こうしたデジタル機器を悪用した監視被害の調査に対応しており、被害者の安全確保をサポートしています。少しでも不安を感じられた場合は、一人で悩まずにご相談いただければと思います。
※プライバシー保護の観点から、依頼者の属性(年齢・性別・職業・住所)や依頼内容につき、一部変更を加えています。
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