依頼の背景-いつもの「プチ家出」とは違う深刻な状況

神奈川県横浜市南区にお住まいの依頼者(父親)から、「娘が突然いなくなった」とのご相談を受け、当探偵事務所が未成年の家出に関する人探し調査を行った事例をご報告いたします。

対象者は高校2年生の17歳女性。母親とは小学生の頃に死別し、父親との二人暮らしでした。以前から数日間の「プチ家出」を繰り返していたため、家族も当初は強く問いただすことはありませんでした。思春期特有の反発心から来る行動と考え、時間が解決してくれると期待していたのです。

しかし今回は明らかに様子が違いました。1週間が経過しても帰宅せず、携帯電話もつながらない状態が続きました。これまでの家出では、遅くとも3日以内には何らかの連絡があったため、父親は次第に不安を募らせていきました。

失踪から9日目、「事件やトラブルに巻き込まれているかもしれない」との不安から、当探偵事務所へご相談をいただきました。初回の面談で父親は、「仕事が忙しく、娘との会話が減っていた」「最近は帰宅時間も遅く、学校での様子もよく分からなかった」と、自分を責めるような口調で話されていました。

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失踪調査の開始-過去のパターン分析から見えた異変

調査開始にあたり、まず対象者の行動パターンを詳細に分析しました。過去3回の家出時の状況を聞き取ったところ、いずれも金曜日の夜に家を出て、月曜日の朝に帰宅するというパターンでした。これは週末を利用した計画的な行動を示唆していました。

学校での状況についても確認したところ、成績は中程度でしたが、最近は遅刻や早退が増加していました。友人関係では、同級生よりも年上の先輩や卒業生との交流が多いという特徴がありました。

調査方針の決定

経験上、未成年の家出には必ず「受け入れ先」が存在します。経済的に自立できない状況では、誰かの支援なしに長期間の滞在は不可能だからです。今回の長期化は、従来とは異なる環境に身を置いている可能性を示していました。

調査開始-友人関係と繁華街での足跡調査

友人関係調査での情報収集

過去の家出時の滞在先について確認すると、「友人の家だったらしい」との情報がありました。しかし父親は、娘の具体的な友人関係について詳しく把握していませんでした。

高校生への接触は特に慎重を要するため、調査員は学校周辺で自然な形で情報収集を試みました。対象者と親しい友人数名の名前をもとに調査を進めましたが、「知らない」「最近会っていない」という回答が大半で、有力な手がかりは得られませんでした。

繁華街での足跡調査

横浜市内の伊勢佐木町や関内駅周辺のネットカフェ、マンガ喫茶、カラオケボックスなどを重点的に調査しました。これらの施設は未成年が一時的に滞在できる場所として利用されることが多いためです。

複数の調査員が交代で早朝から深夜まで調査を実施し、店舗スタッフに写真を見せての確認や、可能な範囲での防犯カメラ映像の確認も行いました。しかし、対象者の痕跡は確認できませんでした。

学校側との連携では、失踪前の1週間は欠席が続いており、連絡も取れない状態だったことが判明しました。これは学校を辞める前提での家出である可能性を示唆していました。

調査の転換点-卒業生のマンションで発見

調査開始から4日目、私たちは調査対象を同級生から先輩・卒業生へと拡大しました。SNSでの繋がりや学校関係者からの情報収集を進めた結果、横浜市南区内で一人暮らしをしている卒業生A(19歳男性)の存在を突き止めました。

このAは対象者より2学年上で、在学中から素行に問題があったという情報も得られました。マンションでの張り込み調査を開始したところ、3日目に対象者がAの部屋に出入りする姿を確認しました。

対象者の行動パターンは午後2時頃にマンションから出発し、夜の11時頃に戻ってくるというものでした。この時間帯の外出は、学校に通っている高校生としては明らかに不自然でした。

依頼者への中間報告後、対象者の具体的な活動内容を把握するため、素行調査へと移行することになりました。

素行調査で判明した深刻な実態

川崎の繁華街で発見された違法就労

素行調査により、対象者が川崎市内の繁華街にある接客業店舗に通っていることが判明しました。午後3時頃にマンションを出て電車で川崎駅に向かい、繁華街の雑居ビル内にある店舗に入っていく姿を確認しました。

当該店舗は未成年が就業できない業態であり、年齢確認が適切に行われていない可能性がありました。調査員が一般客を装って入店したところ、対象者が「さくら」という源氏名で接客している姿を確認しました。

さらなる調査により、卒業生Aがこの店舗に関与していた可能性が高く、対象者との関係が示唆されました。Aは同店の常連客であり、生活費に困っていた対象者との間に何らかの関係があったことが推察されます。

依頼者への詳細報告と対応協議

調査完了後、依頼者に対し以下の内容を詳細に報告しました。対象者の滞在場所、日常の行動パターン、就労の実態、および関係者の情報です。

未成年者の違法就労という深刻な状況が確認されたため、今後の対応について説明しました。警察への相談、青少年支援機関への相談なども含め、複数の選択肢をご提案し、最終的な判断は依頼者に委ねました。

依頼者は熟慮の末、まずは家族での話し合いを試みたいとの意向を示されました。そこで、対象者との面会を慎重に設定することになりました。

対象者との再会と帰宅への道筋

依頼者の同席のもと、安全で中立的な環境で対象者との面会が実現しました。対象者は父親の姿を見ると、最初は目を逸らしていましたが、静かに話を聞く姿勢を見せました。

父親が「心配していた」「一緒に帰ろう」と繰り返し伝える中で、対象者は少しずつ現在の状況について話し始めました。母親がいなくなってから家にいてもつまらなく感じること、父親が忙しそうで話しかけにくかったこと、そして「自分で稼げば一人でもやっていける」と思っていたことなどを、断片的に語りました。

面会は約2時間に及びましたが、対象者は最終的に「家に帰る」ことに同意しました。決定的だったのは、現在の就労環境のリスクを客観的に理解したことと、父親が今後は時間を作って話を聞くと約束したことでした。

未成年の家出における現代的課題

SNSが生み出す新たなリスク

今回の調査事例では、対象者がSNSを通じて年上の卒業生と関係を深め、それが違法就労へとつながっていました。現代の未成年者は、インターネットやSNSを活用して家族の把握できない人間関係を構築しており、これが新たなリスク要因となっています。

特に家庭環境に問題を抱える未成年の場合、年上の知人からの甘い誘いに乗りやすい傾向があります。今回も経済的不安と家庭での居場所のなさが、危険な就労への入り口となっていました。

年齢確認の不備が生む社会問題

本調査では、店舗側の年齢確認が不十分であった可能性が高いことが判明しました。未成年が容易に不適切な職場で働ける環境の存在は、深刻な社会問題といえます。

家出した未成年が短期間で収入手段を見つけられる背景には、このような事業者側の管理体制の問題も関係しています。身分証明書の確認を厳格に行わない事業者の存在が、未成年を危険に晒しているのが現実です。

家出が危険な状況へと進行するリスク

私たちの調査経験では、未成年の家出は段階的にエスカレートする傾向があります。短期間の友人宅滞在から始まり、期間が長期化し、最終的に収入手段が必要になった時点で危険な環境に足を踏み入れてしまうケースです。今回も「プチ家出」から長期失踪、そして違法就労という典型的なパターンでした。

調査完了後の経過について

調査完了から約2ヶ月後、依頼者からご連絡をいただき、その後の状況について伺うことができました。

対象者は学校に復学し、以前のような長期の外泊はなくなったとのことでした。父親は仕事の調整をして娘さんとの時間を増やすよう努めており、週末には一緒に外出することもあるそうです。

依頼者からは「完全に元通りというわけではないが、以前よりもお互いに話をするようになった」との報告をいただきました。当初心配されていた再発については、現在のところ兆候は見られないとのことです。

なお、根本的な家族関係の改善については、地域のカウンセリング機関への相談も検討されているとお聞きしています。

ここからは、本件を通じて見えてきた未成年の家出における現代的課題と、早期対応の重要性について解説します。

高校生の失踪調査から学ぶ早期対応の重要性

時間との勝負-変化のサインを見逃さない

未成年の失踪調査では、迅速な対応が極めて重要です。今回の事例では失踪から9日目の調査開始、その後5日間で対象者を発見できたため、より深刻な事態を回避できました。

私たちが注視するのは、家出の「質」の変化です。従来3日以内に連絡があったパターンから9日間の完全な連絡途絶への変化が、今回の重要な判断材料となりました。期間の長期化、連絡の途絶、行動パターンの変化は、すべて危険信号として捉える必要があります。

SNSリスクと家出調査の現代的課題

SNSを通じた出会いややり取りが、未成年の家出や失踪に直接つながるケースが増加しています。とりわけInstagramやX(旧Twitter)などのDM機能を通じた接触が、危険な交友関係の温床となっている例も少なくありません。

家族が把握できない交友関係の中で、未成年が危険な環境に誘導されるリスクが高まっているのが現実です。今回の事例でも、対象者がSNSを通じて年上の卒業生と関係を深め、それが違法就労へとつながっていました。

「いつもの家出だから」と軽視せず、これまでのパターンと異なる兆候が見られた場合は、早期の相談をお勧めします。

家出調査でお悩みの方へ

当探偵事務所では、人探し調査を通じて事実関係を正確に把握し、ご家族の判断材料となる情報を提供いたします。調査結果をもとに、適切な対応方法についてもご相談いただけます。

現代社会では、SNSや都市部特有のリスクなど、家族だけでは把握しきれない問題が増加しています。専門的な調査技術と豊富な経験を活かし、一刻も早い解決を目指します。

問題を一人で抱え込まず、違和感を覚えた時点でお気軽にご相談ください。初回相談は無料で承っており、秘密厳守でお話を伺います。早期の対応が、お子様とご家族の安全な未来につながります。

※プライバシー保護の観点から、依頼者の属性や依頼内容につき、一部変更を加えています。

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