子どもの家出――この言葉には、親御さんにとっては胸がざわつくような、不安と焦りの感情が詰まっているのではないでしょうか。私自身、探偵としてこれまで多くの家出調査を手がけてきましたが、正直に言って、どの案件も胸が痛くなるものばかりです。

子どもが家を出るとき、そこには必ず理由があります。家庭内でのちょっとした衝突、学校でのいじめや孤立、親からの理解不足、時には恋愛関係のもつれ。理由は本当にさまざまですが、そのどれもが、当人にとっては「ここにはもういられない」と思わせるほど深刻なのです。

私たちのもとに相談が寄せられるのは、たいてい、子どもがいなくなって1日、2日が経過した頃です。「朝、家を出たきり帰ってこない」「学校に行ったまま戻らない」「連絡がつかない」――親御さんの声は震えていて、その不安と後悔がひしひしと伝わってきます。

ただ、私は決して責めません。責めるどころか、「大丈夫です、一緒に探しましょう」とまずお伝えします。子どもを心から心配している親御さんが、行動を起こしてくれたこと――それだけで、解決への第一歩が踏み出せているのです。

実際の調査では、子どもがSNSで知り合った人と会っていたり、ネットカフェや友人宅を転々としていたりすることもあります。特に女子中高生の家出では、性的な被害に巻き込まれるリスクが高く、早期発見が命を左右するケースもあるのが現実です。

最近は「プチ家出」と言われるような、数日で戻る家出が増えてきました。しかし、それを「反抗期だから」「また戻ってくるだろう」と軽く見るのはとても危険です。家に帰ってくる保証なんて、どこにもない。むしろその短期間で、取り返しのつかないことが起こる可能性だってあるのです。

印象に残っている調査があります。夜の繁華街で、うつむいてスマホをいじる少女を発見したとき、私はそっと声をかけました。彼女は一瞬驚いたような顔をして、それでも「お母さん、来てる?」と小さく尋ねました。居場所を見つけたとき、子どもは怒られると思っていることが多いんです。でも、親御さんが駆け寄ってきて、涙を流しながら抱きしめたあの光景は、今でも忘れられません。

探偵として、できることは限られています。けれど、その一歩目の手助けができるなら、私はこの仕事に誇りを持って向き合い続けたいと思っています。

もし、今お子さんが家出している、もしくはそういった予兆を感じているなら、まずは私たちに話してください。無理に引き戻すのではなく、きちんと所在を確認し、安全を確保したうえで、何があったのかを一緒に考えましょう。

家出はただの反抗ではありません。心の叫びであり、サインです。その声を受け止められるのは、やっぱり家族だけなんです。

 

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