最近、同業他社のSNSを目にする機会があるのですが、正直なところ、見ていて胸がざわつくことがあります。
「○○ホテルから対象者が出てきたら、依頼者が来て相手女性と取っ組み合いになった」
「今日は○○県の○○社にて張り込み中です。同社社員の素行調査です」
そんな投稿を見かけるたびに、「本当にこれを公に発信してしまうのか……?」と、言葉を失います。
もちろん、投稿している側は、面白おかしく、あるいは仕事してますアピールのつもりで載せているのかもしれません。でも、それを読んだ依頼者の気持ちはどうなるのか。私にはまったく理解できません。
探偵という仕事は、表には出にくい仕事です。だからこそ、信頼がすべてだと思っています。依頼者の方は、大きな不安や葛藤を抱えながら、勇気を出して私たちに相談してくれています。その裏には、「この事務所なら信じられる」「誰にも知られずに相談に乗ってくれる」という強い期待と信頼があります。
その信頼に応えるべき探偵が、SNSで得意げに調査内容を匂わせたり、匿名とはいえ場所や状況を明かしたりしているのを見ると、本当に悲しくなります。調査がどれだけうまくいっていたとしても、それを外に向けて軽々しく発信してしまえば、依頼者を裏切ることになる。私はそう思います。
法律の話を持ち出すまでもなく、探偵には守秘義務があります。
探偵業法第10条では、こう定められています。
探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。
要するに、調査で得た情報は絶対に漏らしてはいけないということです。たとえ依頼者が特定されないように書いているつもりでも、見る人が見れば、「あれ、自分のことじゃないか?」と不安になるかもしれない。そういうリスクを、軽く考えているように思えてなりません。
私自身、これまでに数えきれないほどのご相談を受けてきました。中には、他社で調査中に情報が漏れたのではないか、と疑心暗鬼になってしまった方もいます。「誰にも言わないって言ってたのに」「SNSで調査の様子を見てしまって、不安になった」と涙を浮かべる方もいました。
そんな話を聞くたびに、言葉にできないような悔しさと情けなさを感じます。
探偵は、ただ証拠を撮るだけの仕事じゃない。
人の人生や心に深く関わる仕事です。
だからこそ、依頼者の気持ちに寄り添うこと、そして徹底的に秘密を守ること。それが探偵としての最低限の責任であり、誇りでもあると思っています。
もちろん、SNSをどう使うかは各社の自由ですし、仕事を知ってもらう手段のひとつかもしれません。ただ、私は、調査の中身を面白おかしく発信することに、どうしても違和感を覚えてしまうのです。
もし私が依頼者の立場だったら、そんな投稿を見た瞬間に、「この事務所には頼めない」と思うでしょう。そして、きっと不安で夜も眠れなくなるはずです。
探偵という仕事には、もっと重みがあります。
人の人生を左右する場面に関わることもあります。
だからこそ、軽はずみな言動ひとつで、信頼を失うことのないよう、私はこれからも誠実に、真っすぐにこの仕事に向き合っていきたいと思っています。
あなたのことを、あなた自身のように考える探偵事務所。
アルリボン調査事務所
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